PiPi's World 投稿小説

屍美女の大群
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 175
 177
の最後へ

屍美女の大群 177

「・・・そうか。服を着ていたってことはまだ化け物入りしてねえってことかな?」

男の報告から、相方は努めて冷静に判断する。
屍美女は衣服を嫌う習性があることは2人ともすでに知っている事実である。
とは言え、まだ油断はできない。
彼らにとって屍美女とは狡猾・凶悪な人食いモンスターだ。
男はマリナはまだ人間だと信じて疑っていないが、自分たちをだますために我慢して衣服を着ている可能性もある。

「なぁ、早く会いに行こうぜ?きっとマリナもオレたちを探してるはずだ!」
「あせるな。まだマリナが連中の仲間入りしてないって証拠もねえんだ。
 もう少し様子を見よう。他に男や服を着た仲間がいればシロ。
 そうでないときはクロってことで」
「そんな!?マリナが奴らの仲間のわけ・・・!」
「ないって保証はどこにもないだろ?
 ただでさえここは危険な連中であふれているんだ、用心するに越したことはねえ。
 わかったな?」
「・・・わ、わかった」

反論を許さない相方の口調に男はしぶしぶ了承した。
ここで反論すれば相方は容赦なく自分を見捨てるだろう。
そうでもしなければ今の世界を生き抜くことなんてできはしない。
それは男自身も身にしみて理解していることだった。
こうして人間の男2人による神薙家の生態観察が始まった。
島脱出まで後24時間少々の出来事であった。

――――

最初の変化はマリナ発見からわずか30分後に起こった。

「お・・・おい。あれ、留美のヤツじゃないか!?」
「何だと!?」

それは早くマリナと再会したい男が、飽きずに小屋の監視を続けていたそのときだ。
留美が小屋から姿を現したのである。
まさか立て続けに仲間を見つけられると思っていなかった相方も思わず身を乗り出して様子をうかがう。
しかし小屋から出てきた留美の姿は、彼らの知る留美とは別人のようであった。
あの臆病で、いつも姉の後ろに隠れていた留美が全裸に首輪姿という、何ともエロティックな姿で出てきたからだ。
しかもそんな姿をさらしているというのに、恥らっている様子がまるでない。
単に誰も見ていないと開き直っていると見えなくないが、それは2人には信じられない光景だった。

「お、おいおい・・・。あれ、ホントに留美か?」
「お・・・オレに聞くな。オレだって今見てるものが信じられねえんだから」

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す