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屍美女の大群
官能リレー小説 - ファンタジー系

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屍美女の大群 157


――――

時間は少しさかのぼる。
留美が覗きがバレたと茂みの中を逃げ回っていた数分前の話だ。

(見られた!見られた!見られた!)

留美は顔を耳まで赤く染め。
目からはポロポロ涙をこぼしながら走っていた。
羞恥心が薄く、仲間意識のある屍美女なら平然とすることも、人間である彼女にはとても耐えられないことであった。
それでも少しでも冷静に考える余裕があれば、身の安全を優先してその場にとどまれたかもしれない。

「はあ・・・はあ・・・っ。・・・あ」

しばし走ってようやくその足を止めた留美は、事ここにいたってようやく自分の今の状況を考える余裕を持つことができた。
だが非常に恥ずかしいところを見られたという事実が、彼女に戻ることをためらわせた。
そこからさほど遠くないところで彼女を見つめる瞳がいくつか輝いていたことなど知る由もなく。

「グルルルル・・・」

それは留美のいたところから少し離れた木の上にいた。
獣のようにうなるモノの正体は3体の屍美女。
かつて綾子たちと戦い敗れ、命からがら逃げ出した連中だ。
彼女らはあれ以来、こうして小屋の近くに居座り、様子をうかがっていた。
目的はもちろん復讐と逃した獲物・・・と言いたいところだが、最近は違う理由も含まれている。
小屋から香ってくるかぐわしい香り。
彼女らはそれに興味を引かれ、この場にとどまっていた。
彼女らは仲間同士で慰めあいながら、獲物が出てくるのを虎視眈々と狙っていた。
1人で行動するものが出るその機会を、ただひたすら。
そして出てきた子羊1匹。
まわりにはあのやっかいな連中もいないとなれば、それを見逃す手はなかった。

「・・・・・・」

彼女らのうちの1匹が仲間に合図を送ると、彼女らは一気に獲物に向かって駆け出した。
それはまさに一陣の疾風。留美が気づいたときには3つの風は獲物に襲いかかるところであった。

――――

そして時間は再び戻る。
留美の悲鳴を聞きつけた駿がようやく現場にたどり着くと、そこではすでに戦いが始まっていた。
敵の数は3体。うち2体を響香が相手をしている。
しかしただでさえすばやい敵を2人も相手にするのは厳しいらしく、やや劣勢のようだ。
しかし問題は近くで倒れている留美。
元々屍美女に襲われ、ボロボロになっていた服は原型を留めておらず、いくつかの布切れとなって散乱している。
そしてその中央ではぐったりと横になり、最後の1体になぶられている留美の姿が。

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