PiPi's World 投稿小説

屍美女の大群
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 154
 156
の最後へ

屍美女の大群 156

それは鳥…
いや、巨大な鳥に見えたそれの身体は女性で、腕が巨大な羽根となり、足には猛禽のような鈎爪を持ち、上空から何匹も綾子達めがけて急降下してきたのだ。

反応の一番早かったのは静那だった。
佳代手製の鉄弓を握り締め、矢筒からとっておきの鉄矢を抜き取り、仰向けに身体を飛ばしながら矢を放っていく。
目にも止まらぬ早業で放たれた矢は、まるでロケット弾のような唸りを上げて鳥屍美女に命中し…流石の鳥屍美女も、墜落して地面に叩き付けられていった。

背中から着地した静那は、直ぐに体勢を立て直して鉄弓を構えるが、上空に残っていた鳥屍美女は不利を悟ったか、既に静那の射界から外れていた。
「申し訳ありません…残りは逃がしたようです…」
悔しそうに綾子に言う静那に、鳥屍美女達も動けないように『畳んだ』綾子が手をひらひらと振る。
「それだけ墜としただけでもいいさ…だが、全く厄介な連中ばかりだなっ!」
屍美女に空まで飛ばれるとあれば、本当に行動範囲が広がって厄介極まりない。

見た所、余り器用に飛べるタイプでないらしく、長距離飛行はできそうになさそうだが、この島なら十分行動出来るだろう。
「…こりゃあ、封印急がないとな…」
そう言い、大きく息を吐いて綾子は頭を掻く。
これ以上、厄介な連中を増やすと流石に駿を守りきれるか心配になってくる。
綾子達は表情を引き締めて、再び洞窟のある方に足を進めたのだ。


…そして、留美を追った駿達は…
家の周囲で彼女の姿を探していた。
駿も裸のまま飛び出してしまったが、そんな事かまってられなかった。

智恵美と響香が裸だし、家族だけしかいなかった島だったので慣れもあった。
それに多少の恥ずかしさより、留美の事が心配だった。
他人とは言え放っておける程、駿も無情ではない。
姿は見えなく焦る駿だが、女性の大きな悲鳴にハッとする。
その声は、駿でも解る留美の悲鳴だった。


「留美さんっ!?」

駿は駆けつけようと走り出すが、周囲の草木が邪魔をして思ったように進めない。
一方の響香・智恵美たちはぐんぐんと駿と差をつけていく。
屍美女と人間との差が出たようだ。

「駿ちゃん、急いでっ!」
「う、うんっ!」
「駿、先に行ってるわよっ!?」

響香は先を急ぎ、残った智恵美が駿をせかす。
置いてけぼりにしたら今度は駿が危ないからだ。
駿は必死に進みながら茂みを抜けると。
そこには予想を少し斜め上に行く事態が広がっていた。

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す