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屍美女の大群
官能リレー小説 - ファンタジー系

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屍美女の大群 143

駿がどう思おうとも、雰囲気が良くなる兆候は全くない。
重苦しい空気と間に、駿も耐えられなくなって、とにかく出された食事に手をつけた。
「…あっ…美味しいや…」
例のクリームシチューを一口食べた駿から、素直にそんな言葉が漏れるぐらい、そのクリームシチューは絶品だった。
主材料が、駿の大好きな智恵美の母乳なのだが…食材の良さを上手く引き出した留美の腕前は見事であった。
普段、食の細い駿にしてはかなり早いペースで皿のシチューが減っていく。

その駿の行動で、重苦しい空気がかなり軽くなり、留美も智恵美もホッとした表情を見せた。
「よかった!…お口に合ったみたいね…沢山作ったから、どんどん食べてね」
美味しいと言われ素直に嬉しい留美は、笑顔で駿に薦める。
そして、自分も一口食べてみたが…確かに、最近の中では抜群のデキであると我ながら思うぐらいであった。
勿論、食材の良さ…特に智恵美の母乳の上手さは、料理してみると改めて思い知らされた。


「ごちそうさまっ。クリームシチュー、すごくおいしかったよっ」
「お粗末さまです。でもホントにこれだけでいいんですか?」

そしてあっという間に空にした駿は、満足そうに智恵美と留美にお礼を言った。
最初はギクシャクしていたものの、料理をほめられ気をよくした留美は、感謝の言葉とともに自分よりはるかに少ない量で満足する少年に質問した。

「うん、もう十分です。これ以上は食べられないよ」
「驚いた?駿ちゃんは昔から小食なの」

留美の様子に生前の自分の姿を見たのだろう。
智恵美は先ほどの爆弾発言のことなどすっかり忘れてコロコロ笑いながら説明してくれた。
そして駿以外との人間の初めての食事はこうして幕を閉じた。
しかし料理とは作って食べて終わりではない。
そこには使った食器の片づけも含まれる。

「じゃ、みんな食べ終わったようだし、後片付けしてくるわね」
「!?」

その言葉に駿が敏感に反応する。彼女は家事がまるでできない。
このままでは後片付けが年末の大掃除に化けてしまう。
そう思った駿があわてて引きとめようとしたその時だ。

「あ、私がやります。お2人はゆっくり休んでてください」

と、留美が絶妙なタイミングで助け舟を出してくれた。
もっとも彼女は智恵美の家事の腕など知らないだろうが。

「そう?それじゃお願いしようかしら・・・?」
「うっ、うん!それじゃよろしくお願いしますねッ!?」

留美は駿の必死の発言に少々引きながら、食器を持って台所に消えた。
そして残された智恵美は先ほどからの駿の不可思議な行動に疑問を投げかける。

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