PiPi's World 投稿小説

屍美女の大群
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 139
 141
の最後へ

屍美女の大群 141

「…どれぐらい、完成しているのですか?」
「外装部分は、ほぼ完成じゃよ…後はエンジン部分と電装関係じゃな…エンジンは燃料電池部分は完成じゃが、肝心のスターリング機関がまだなのじゃ」
佳代はマリナの疑問に、楽しそうに説明する。
元来、科学者だけに聞かれるのが楽しいのだろう。
「スターリング機関?…」
「ああ、カルノーサイクルと言って熱をエネルギーに変換する理論を応用した機関の事じゃ…簡単に言うと、二つのシリンダーの温度差を利用して動かす機関じゃ…
あたしの理論上なら、海水さえあれば、燃料電池と合わせてほぼ無限に動ける筈じゃ…勿論、電力を使い過ぎれば海に潜って充電せねばならないがの…」
佳代の説明を興味深々に聞いていたマリナが、ふと何かに気付く。
「…もしかして…佳代さんは、あの神薙佳代先生なんですかっ?…私っ、論文読んだ事ありますっ!」
「んっ?…あたしの大学にある論文なら、かなり古い物じゃろ?…よくあんな物読んでいたの…」
完全に尊敬の眼差しになったマリナに苦笑を向ける佳代だが、悪い気はしてない。

家族とはなかなかできない科学談義をできる相手に巡り会ったのは、ある意味良い事だった。
「まあ、あの論文を読むんじゃったら、その応用じゃから機関の理論は解るじゃろ?…これなら、予定より早く完成するかもな…」
「…ごめんなさい…私は全く解りません…」
はしゃぐマリナに、佳代は優しい視線を送り、響香にそんな風に言う。
当の響香の方は、さっぱり解らないのだが…

「どうした響香……なに難しい顔をしてるんだ?」
佳代達の話に付いていけず戸惑う響香に一仕事終えて戻った綾子が声をかける。
「あっお姉様、佳代ママが有名な科学者だったのを御存知でしたか?」
綾子に気付いた響香は綾子に佳代の事を話す。
「ああ、そういえばあたしが小さい頃、よく何かの雑誌社や科学者がお母様に会いによく来たっけ〜
まあ、昔の話だがね。」


それがどうしたと言わんばかりの様子で淡々と話す綾子。
人に歴史あり。自分の知る佳代は、自給自足の生活を送っていたただのおばあちゃんだったのに。
響香は驚きのあまり呆然とする中、佳代と綾子は話題を変える。

「じゃあお母様。あたいたちはそろそろ失礼させていただきます」
「うむ。施設の爆破、よろしく頼むぞ」
「はい、任せてください」

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す