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屍美女の大群
官能リレー小説 - ファンタジー系

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屍美女の大群 140


「あ、心配しなくても大丈夫よ。
 私たち、ちゃんと駿ちゃんからごはんをもらっているから」
「・・・え?駿ちゃんって・・・」

安心させようと発した一言が留美の心に波紋を広げる。
彼女の記憶が確かならば、その名前は・・・。
すると彼女は何かに気づいた様子で顔を真っ赤にさせた。
自らのうかつな発言に気づいた彼女は、あわてて2人分のシチューを分けると茶の間に運ぶ。

「さ、さあさあおなかすいたでしょ?早くごはんにしましょ!?」
「まさか・・・あの人・・・あんな数の人たちと・・・毎日・・・?
 それも、家族で・・・?」

1人取り残された留美はお玉を片手に呆然とつぶやいていた。
薄々気付いていた事実だったが、本当に目の前にその事実が突きつけられて思考停止するしかなかった。


そして、佳代達はと言うと…
「…凄い」
その船を見たマリナの口からは、そんなありきたりの感想しか漏れてこない。
目の前にある半世紀以上昔に建造された艦は、多少佳代が触っていたが、その当時の戦闘艦の雰囲気をたっぷりと醸し出していた。
潜水艦と聞いていたが、マリナの想像した流線型の姿とは全く異なっている。
現在で言う護衛艦クラスのサイズに、立派な戦闘艦橋…
甲板に強烈な存在感と共に存在する砲塔等は、一見すれば潜水艦ではなく水上艦に見えてしまう。
「潜水艦なんですか?…潜ると邪魔になってしまいそうですけど…」
「その通りじゃ…かつて海軍が『潜水戦艦』なる滑稽な物を考え出しての…机の上だけで物を考えてるような連中が考えそうな発想じゃわい」
マリナの疑問は当然とばかりに佳代はそう答える。
実際、この艦が完成していたとしても、戦局に影響が与えれる可能性は殆ど無かっただろう。

「愚作じゃが、なかなか面白くもある…一応、潜水時には艦の両舷に付いている開閉式安定翼を畳んで、艦橋と砲搭ごと甲板を覆う構造はなかなか考ええおるが…当時の技術では難しかったようじゃの」
エンジニア志望のマリナも、佳代の説明で艦の両側にある無駄に大きな翼のような物が何かを理解できた。
多分、当時の技術では、素早い開閉と密閉性に難があったのは想像に難くない。
もし、その構造部分がクリアできて、しっかり動かせるのであれば…当時は愚作としても、今なら頼もしい城になりうる筈だ。

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