PiPi's World 投稿小説

屍美女の大群
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 137
 139
の最後へ

屍美女の大群 139

と、言っても…智恵美の手伝う事は簡単なものだけだったが、その姿は母と娘のように打ち解けていた。
「智恵美さん、それ取ってくれます」
「はい、留美ちゃん…これね」
洋服にエプロン姿の留美と裸の智恵美だから、見た目は違和感あるが、意外と二人は息を合わせて料理していた。
まるで母と娘のように打ち解けたから、二人の動きも軽やかであった。
勿論、智恵美は物を取るぐらいの役にしかたってないが…

ある程度用意が進み…鍋を火にかけた所で、留美は今までの疑問を口にしてみる。

「智恵美さん…一つ聞いてもいいですか?」
「なあに?、留美ちゃん…」
屈託ない智恵美の笑顔に、留美は思い切って疑問をぶつけた。
「あの…裸で恥ずかしくないんですか?…今まで変わってしまった女の人達も裸だったけど…」
屍美女の特性を知ってる訳ではない留美にとって当然の疑問…勿論、今まで遭遇した屍美女には聞けなかった疑問である。
一般的な人間の女性である彼女にとっては、全く理解しえない疑問なのだ。
少し考えるような表情をした智恵美は、微妙な笑顔で留美を見る。

かなり人間らしい感覚を残しながらも、屍美女の習性には逆らえない智恵美である…留美の疑問は当然だろうと理解できた。
「勿論、私も人間だった頃は誰かに裸を見せるなんて考えなかったと思うわ…でもこうなってからは、裸で居る事が何より心地よいの…むしろ、肌を隠す事自体が不快なのよ…」
留美には理解しにくいだろうと思いながら智恵美はそう言う。
実際、留美の恥ずかしそうにチラチラ見る視線が心地よい。

屍美女が衣服を嫌がるのは、弱体化を本能的に避けているからだけではない。
彼女ら屍美女は常に発情状態にある。
そんな彼女らにとって、衣服は自分たちの性感を必要以上に刺激する代物なのだ。
ただでさえ身体が飢えてたまらないのに、これ以上飢餓感を高めるなんて苦痛以外の何者でもない。
だから彼女たちは衣服を着けると弱体化し、全裸でいることにこだわるのだ。
視線が気持ちよくなるのは・・・おそらく本人の資質と程よい性欲によるものなのだろうが(笑)
習性が1つわかったところでちょうどクリームシチューができあがった。
留美は配膳するべく、3人分の皿を並べようとする、が。

「あ、ごめんなさい。私のはいらないわ」
「え?もしかしてシチューお嫌いでした?」
「シチューって言うか・・・。ほら、私一度死んでるから・・・」

申し訳なさそうにする留美に智恵美は言いにくそうにそう答えた。
その回りくどい言い方に、留美は解釈に手間取るもすぐその意味を理解した。
それと同時に無意識に智恵美から距離を取る。
屍美女である智恵美が、人間を食べる存在だと思い出したからだ。

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す