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屍美女の大群
官能リレー小説 - ファンタジー系

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屍美女の大群 130

普通の感覚ならおぞましい関係で、嫌悪感を抱いて当然なのである。
それは、こんな関係を受け入れているこの家族が特殊で、彼女達が正常な神経を持っていると言う事なのだが、明日香達にはその自覚が無いから、彼女達に友好的にはなれないのだ。
流石の佳代も、家族の強い抵抗には困った様子であった。
だが、女性達の方が綾子達にこう切り出した。
「どうすれば…私達を助けてくれますか…」
駿には嫌悪感を抱こうとも、現実として佳代達に頼らないといけない。


「そうだな・・・『仲間3人を助ける代わりに、おまえたちは島に残る』ってのはどうだ?」
「「ッ!?」」
「あ、綾子さんっ!?」

その発言に2人の姉妹と駿は驚いた。
この島に残るということは、この島を徘徊する獣人ゾンビのエサになれと言うのも同然だ。
姉妹は自らの命の危機に、そして何も知らない駿は家族の突然の残酷な発言に驚きと戸惑いを隠せなかった。

「ま・・・待ってよ、綾子さんっ!いきなり何言い出すんだよっ!?」
「黙ってろ、駿っ!
 コイツらはアタイらの楽園に土足に上がりこんだ上、あんな危険な連中を解放しちまったんだ!
こっちはただ静かに暮らしてきたっていうのにな!」
「・・・ッ!で、でもそれはこの人たちも何も知らなかったから・・・!」

綾子の正論に一瞬負かされそうになりつつも、駿は土俵ギリギリのところで持ちこたえ、必死に彼女らを擁護する。
しかし綾子の・・・いや、家族らの怒りは治まらない。

「何よりッ!コイツらはアタイらの大切な駿を化け物か何かを見るような目つきで見ているのが気に食わねえんだよッ!?」
「・・・ッ!?」

その一言はさすがにショックだったのか、駿は反論することも忘れて2人のいる背後を振り向いた。
するとそこにいたのは。化け物である屍美女に事実を指摘され、その身を縮こまらせている2人の弱い人間たちがいた。

「アタイらを化け物呼ばわりするならまだしも、駿まで化け物扱いしておいて、自分たちの仲間を助けてくれだぁ?
 ふざけんじゃないよ!
 それなりの態度も礼儀も取れない連中に貸し出す義理なんて、これっぽっちもないね!」

心を読まれ綾子の剣幕に怯えた彼女たちは、うそがバレた子供のように、その顔をゆがませながら震えていた。
その一方で佳代は黙って彼女らを見守っていた。
彼女らが駿の同類としてふさわしいか見極めるつもりらしい。
佳代たちは屍美女である。
彼女らがどんなに駿を想っていたところで、その立場は変わらない。
だからこそ佳代は駿に人間をあてようと考えたのだ。
同族でなければ気持ちを理解できないこともあるだろうから・・・と。
そして怒れる家族と、冷静に見極めようとする視線の中、彼女らがその重い口を開いた。

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