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屍美女の大群
官能リレー小説 - ファンタジー系

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屍美女の大群 129

コクリと頷く女性達を見ながら佳代は考え込む。
彼女達二人に更に何人かが加われば、間違い無く食料事情は悪化する。
もし彼女達の食事量が駿並としても、これは深刻な問題になるのは間違い無い。
不死身の怪物がいる所で呑気に食料調達してられないし、脱出後も食料は必要だ。
なら…タイムリミットは一週間程度か…
暫し考えた佳代は、全員にこう言う。
「脱出後の事を考えても我らのタイムリミットは一週間程度しかないじゃろう…お嬢ちゃん達も含めて全員一丸とならんと、この危機は乗り越えられん」

そして、佳代は女性達を見て言った。
「少なくとも我らは生きていけるが、お嬢ちゃん達はそうもいかんじゃろ?…協力してくれるかの?」
「勿論ですっ!!」
佳代はその答えに満足するが、横から綾子が不満そうな声を上げる。
「だいたいさ…普通の人間が何の役に立つ訳?…放り出すか、アタイらの食料にしてしまう方が良くないか?」
綾子の言葉に、女性二人は身をすくめて震え、佳代は綾子をひと睨みする。
だが、綾子も悪びれた様子は無く、珍しく母に反抗的な視線で返した。

それもその筈…
綾子だけでなく、家族の殆ど全てが女性達に非友好的な様子なのだ。
唯一、そうでないのは…何も考えてなさそうな(事実、何も考えてないだろうが…)智恵美ぐらいである。
要は、『女が増えれば分け前が減る』と言う単純な問題から、彼女達がトラブルを持ってきたと言う非難や、彼女達が駿に対してかなり不信感を持っていると言う事など多様多種の問題を綾子が代表して言ってる形となっていた。
ほぼ、『家族の総意』があるから綾子も引かないのである。

佳代も家族の気持ちが分からぬではないが、関わってしまった以上見捨てると言う選択肢は無い。
それにどの道、島を出なければならない日が来る可能性も考えていたから…それが早くなっただけと、頭で割り切って現実的な選択を考えた訳である。
なまじ佳代が頭が良すぎる分、佳代の考えについていけない家族も多いし、何より彼女達は『駿が大事』なのだ。
いや、駿と家族以外はどうでもよいと言った方が正しい。
「私達は駿を危険に晒すかもしれないリスクを負うのに…見返りが無いのは納得できないわ」

今や家族ナンバー2の響香の言葉に綾子達は頷く。
確かに佳代の片腕のような存在になりつつある聡明な彼女でも、わざわざ見ず知らずの他人を助ける理由が分からない。
明日香や美羽、静那に至っては、女性二人が駿に好意的とは程遠い感情を持っている事が許せない様子だ。
今まで屍美女から逃げ回ってきた彼女達が駿を不信に思うのは、ある意味仕方ないだろう…
屍美女に囲まれて普通に生活している男と言うのが信じられないし…よく聞いていると、駿とこの屍美女達は家族だと言うではないか…

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