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屍美女の大群
官能リレー小説 - ファンタジー系

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屍美女の大群 127

そう言い、少し悲しそうな目をする佳代…その佳代に綾子が聞く。
「と、言う事は…アレはご先祖って事ですか?」
「じゃろうな…この子らに扉を開けられた事で眠りから覚めたのじゃろうな…最悪の形で…」
佳代の言葉に悪意は無かったが、二人の女性はビクリと身を震わせ、綾子や静那達は少し非難のこもった視線を向ける。
その会話の間、全く会話についていけない智恵美が駿を引き寄せて抱きしめているのにも誰も気付かない程、深刻な空気がその場に流れた。


「じゃあ、あの化け物たちは軍の廃棄した危険物と混じってああなったって言うこと!?」
「・・・おそらく、な」
「な、何平然と言ってるのよ!?旧日本軍って言ったら勝つために何でもやってきた連中でしょう!?
 もしそこから細菌兵器が流出したら、私たちはともかく、駿やそのコたちが・・・ッ!」
『ッ!!』

響香の発言に屍美女たちは駿を失う恐怖にとらわれ、人間たちは死の危険性に恐怖した。
しかし佳代だけは響香の発言に動じる気配はない。

「おそらく細菌兵器の心配はないじゃろう。
 施設に厳重な封印がされてなかったらしいからの。
 それほどまでに危険な代物があれば、誰も手を出せないようにそれなりの封印をしておくもんじゃて」

さすが戦争時代を生き抜いた女傑、見事な説得でみんなの不安を和らげた。
だがそれで問題は解決したわけではない。
この島に異形化した屍美女がいることは間違いないのだ。

「・・・とは言え、やはりこの島からの脱出は考えておいたほうがいいのぉ。
 同族のあたしらは平気でも、駿たちには少々危険すぎる」
「で、でもどうやって脱出するんですか!?わ、私たちの乗ってきた船にはもう燃料が・・・!」
「安心せい。移動手段ならこちらで準備してあるものがある。
 問題はそれが使える状態になるまで少々時間がかかるということじゃ」

生き残りの少女をなだめつつ、問題点を挙げていく佳代。
彼女にとって問題なのは
 1.獣型屍美女の数
 2.脱出用の潜水艦の修理
 3.駿たち人間の防衛
この3点だけだった。

「・・・今まで連中と会わなかったことを考えると、まだ復活した連中はそういないのかもしれん。
 ならば今のうちに時間稼ぎに入り口を封印し、その間に潜水艦を修理、脱出するしかあるないな」
「あ、あの・・・ぼくがその人たちを満足させるっていうのは?」

佳代の結論に智恵美の胸に収まった駿がおずおずと手を挙げる。
今まで狂える家族を静めた経験のある駿としては、できれば彼女らとも和解し、この島で平穏に暮らしていくたかった。
しかし駿の提案に、佳代は首を横に振った。

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