PiPi's World 投稿小説

屍美女の大群
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 116
 118
の最後へ

屍美女の大群 118

しかし相手は醜い出来損ないとは言え、屍美女である。
何の犠牲もなく逃げ切れるわけもなかった。

「ひッ・・・ひいいぃッ!?たっ・・・助けてくれぇッ!?」
「いやッ、いやああぁぁッ!?」
「ぎゃああぁッ!?痛い、痛いぃッ!?」

最初に捕まったのは頭皮を噛み切られた他、先頭にいた男性2人と女性の3人だった。
出来損ないの屍美女たちは、腹を満たそうとするかのように噛み付いたり引っつかんだりしてその肉を引きちぎる。
おそらく愛撫か甘噛みのつもりなのかもしれない。
再生途中の屍美女たちは過激すぎるキスと愛撫の嵐を撒き散らし、人型を取り戻しつつある連中はさっそく蘇りたての蜜壷を使って捕らえた男性の肉棒に奉仕した。
しかしその光景はまるでホラー映画のようだ。
すでに引きちぎられ、肉片と化した肉棒を奪い合っている連中さえいる。

「昭ッ、太助ッ、美保ッ!?」
「バカっ、振り返るな!アイツらはもうダメだ!」

そんな哀れないけにえと化した仲間たちを漂流者たちは見捨てて逃げる。
薄情なようだが、身体能力に優れた屍美女から逃げるには、捕まった連中を放置して逃げるしかないのだ。
もし助けようとすれば自分もその仲間入りをしてしまうから。
3人の犠牲を出した漂流者たちは出口に向かってひたすら走る。
助けを求める仲間の悲鳴も、背後でなおも沸きあがる出来損ないの屍美女たちを見ようともせず、ただひたすらに。
出口は閂と錠前で閉じられていた。
扉は鉄製だったから、閂で扉を閉めれば逃亡の時間を稼げるはずだ。
それが彼らの生き残る、ただ1つの手段であった。
走る走る走る。体力のことなど考えず、ただひたすら全力で。
そして見えてきた希望の扉。幸い扉は開いたままだ。
最後尾を担当していた男がまず最初にゴールし、すばやく扉を閉める準備を始める。
2人目、3人目と入ってきたところで男は閂を手に背後の様子を見た。
いや、見てしまったと言うべきか。

「・・・・・・ッ!!!」

そこには地獄の光景が広がっていた。
地獄の底からよみがった亡者のような屍美女たちが、仲間たちを捕まえようとしていたのだ。
それを見て男は、4人目と5人目が入ったと同時に扉を閉めた。
残りの2人を見捨てたのだ。
扉が閉まるその瞬間、残された連中は何か言っていたようだがそれどころではない。
あれだけの数の化け物ではこの扉もすぐに破られる。
早く逃げなくては。それだけしか頭になかった。

ドンドンッ!ドンドンッ!

「〜〜〜ッ!!〜〜〜ッ!!」

閉ざされた扉から2人のものであろう、必死のノックと声が聞こえる。
だが誰も耳を貸さない。
なぜなら彼らはすでに扉から離れ、森へと逃げ去っていたから。
閉ざされた鉄の扉がノック以外の音がするようになったのは、それから間もなくのことだった。

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す