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屍美女の大群
官能リレー小説 - ファンタジー系

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屍美女の大群 117

その階段は、今までの施設と比べると古ぼけているように感じた。
そして階段の奥にも頑丈な扉があり、閂がかけられていた。
「どうする?…先に進むか?」
「先に食料は期待できないけど…この先は施設の貯蔵庫みたいだから、生活に必要な物があるかもしれないな」
「おいおい、寝床が確保されただけでも十分だろ…身体を休めてから考えようぜ」
好奇心に駆られる男と、慎重な男で意見が別れる。
そこにもう一人の男が口を挟んだ。

「とりあえず覗いて見ないか?…それから考えたらいいだろ?」
とりあえずの言葉に慎重な男達も納得し、覗いて見るの言葉に、好奇心旺盛な男達も納得する。
彼の言葉に触発された男達は、閂を抜き去り、重い鉄扉を開いて見る。

扉の向こうにあるのは…
カビ臭い匂いと、どこまでも続く漆黒の闇…
彼らの期待に反して何も無い通路のようだ。
「なーんだ…何も無いじゃんか…」
扉を開けた男達は、笑顔で様子を見る者達を振り返る。

だが…
懐中電灯のほのかな光に、漆黒の闇に浮かぶ無数の赤い光点が増えて行く事に誰も気づいていなかった。

漸く、何かを引き摺るような音が向こうから僅かに聞こえて来るのを一人が感じ不思議な表情をする。
「何か…音がしねえか?…」
「いや?…何か聞こえる?…」
「何にもいないと思うけどな…」
一人の男が奥を覗いた瞬間…
いきなり何かが、その男に飛びかかってきた。
「うわっ!!」
「しっ!、屍美女かっ!!…」
それは全裸の女性…屍美女のように見えた。

だが、土褐色の肌のそれは、屍美女と呼ぶには醜くすぎた。
勿論、仲間を助け屍美女を追い払おうとめいめいに武器を振り上げる彼らの目の前で惨劇は起きた。
「ヒイッ!…ウギャアッッ!!…」
屍美女らしき者が、押し倒した男の頭に噛み付き…その頭皮を噛み千切ったのだ。
少なくとも彼らが見てきた屍美女は、理性が無くともこんな行動は取らなかった。
そして奥から同じような土褐色の屍美女が現れると、一斉に押し倒した男に群がり噛み付いた。

「ヒイッ!…にっ、にげろぉっ!!…」
もう助けるどころでは無く、パニックを起こした彼らは一斉に出口へと駆け出した。
凄惨な状況を目の前に、咄嗟に逃げれたのは屍美女パニックを生き残ってきた証だが…男の絶叫と肉の引き裂かれる音に、さしもの彼らも心底パニックに陥っていた。

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