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屍美女の大群
官能リレー小説 - ファンタジー系

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屍美女の大群 116

そして、十分程で彼らの目の前には高い崖…崖には、鎖と錠前で閂を固定された頑丈な鉄扉が存在していた。
「…何だ?…これは…」
「洞窟みたいだが…扉が付いてるぜ…何かの施設みたいだな…」
鉄扉に圧倒されながら彼らは口々に色々な感想を漏らす。
「戦争の時の施設じゃないのか?…古さなんて、そんな感じだし…」
一人の男の言葉は只の当てずっぽうだったが、あながち間違いでない。
だが、このあながち間違いでない彼の言葉が、彼らの運命を決めてしまう結果となった。

「外部から封鎖されてるんだ…死体の山が有るわけじゃないだろうし…もしかしたら寝泊まりできるかも知れないぜ」
別の男が楽観的かつ根拠の無い予想で閂辺りを確認する。
彼の持っているバールを使えば、この古い錠前は外せるかもしれない。
「何か出てこない?…」
「まさかよね…そんな映画みたいな事あるかなぁ…」
男達の後ろでは、女達も口々に色々言うが、狭い船に不安一杯で押し込められ…そこからようやく解放された事が、彼らの中に楽観的な空気を生み出していた。


「よし。それじゃ開けるぞ?」

みんな異論がないことを確認した男は、バールで錠前を外し、扉を開けた。

ギイィィィ・・・ッ!!

鉄の扉は重々しい音を立てて開いていく。
中はボロボロだが冷たいコンクリートがあらわになっていて、そこが何らかの施設であることがすぐにわかった。
中に屍美女はいないようだ。しかし油断はできない。
漂流者たちは前後に男を配置して内部を探検することにした。
みなバールや海岸で拾った石や流木を持って武装している。
不死身の屍美女相手にはこれでも逃げられるかどうか怪しいところだが、何もないよりましだ。
建造物は意外と大きなつくりらしく、入り口の部屋の奥は通路になっていて、両脇にいくつかのドアが並んでいる。
近くの適当なドアノブをつかんで回すと簡単に開いた。
どうやらカギはかかっていないらしい。
しかし中には老朽化して立て付けが悪くなり、あけることのできないドアもあった。

「・・・何か病院みたい・・・」

内部を探索中、漂流者の1人がそんな感想を漏らした。
そう。それはまさに病院のようなところだった。
窓こそなかったが手術室らしき部屋や詰め所らしき部屋などいろいろある。
しかしおかしな点もいくつかある。
なぜこの施設はこんな洞窟に立てられているのか?
なぜこれだけ大きな施設なのにベッドが少ないのか?
そんな中探索は続き、最奥で地下へと続く階段を発見した。

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