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屍美女の大群
官能リレー小説 - ファンタジー系

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屍美女の大群 115


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それから1週間。
駿はあの感覚のとりことなり、もっとみんなと一体感を味わいたくて、暇さえあれば交わるという退廃的な生活を送っていた。
仕事の最中でも求めてくるのは困り者だったが、それでも彼を拒むものは1人もいない。
駿たちの幸せな生活はこのまま続くかと思われていた。
だが運命とは時として残酷なもので。
駿たちの前にはこれより過酷でつらい運命が待ち受けていたのである。
それは駿が響香たちとの4Pを楽しんだ1週間後の夜のこと。
駿たちの住む島の西側。その海岸に一艘の船が流されてきたのである。
空は陰り光のない状況で、船からいくつかの人影が現れ、何かを探すように動き出す。
そしてしばらく周囲を見回すと再び船に戻り、今度は10人くらいの人影がぞろぞろと降りてきた。
それを待っていたかのように、月を覆い隠していた雲が流され、人影の正体が月光の元、あらわとなる。
それは人間だった。男が3人に女性が7人。
少々やせこけ、衣服はボロボロ。
まるで遭難したかのような格好だが、間違いなく人間だ。
屍美女なら男を目の前にして犯さずにはいられないはずだから。
彼らは駿が逃げてきた港町から遠く離れた町から来た漂流者である。
目覚めたばかりの屍美女たちの魔の手から逃れるべく、海へと飛び出したのだ。
しかしとっさのことで食糧も何も準備できず、燃料も切れて漂流し続けた結果、この島にたどり着いたのである。
「…ここが、どこか解るか?」
男の一人の問いに誰も答えられない。
ほぼ彼らは遭難して、ようやく辿り着いた訳で、ここが日本かどうかも理解していなかった。
「…どう、するの?…これから…」
女の一人が途方に暮れたように呟く。
「船はもう無理だ…この近くで、どこか身を休める所を探そう…」
別の男が懐中電灯を手に全員に同意を求める。
少し肌寒い夜半の空気が、その男の言葉に説得感を持たせる。
確かに、ゆっくりと休む場所が欲しい。

彼らは懐中電灯で月明かりに照らされる浜から陸の方に向かう。
「おい、道らしき物があるぜ…」
「そうだな…獣道にしては大きいし、道かもな…少し見に行ってみるか?」
道らしき物に、もしかしたら人家があるかもと、彼らの言葉は弾む。
「でも…また奴らがいたら…」
「そうとしても…このままじゃ私達は生きていけないわ…」
心配する声も、早くねぐらを探したい心に押されてしまう。
多少の不安や恐怖を期待や希望で抑え込みながら、彼らは道を進む事を選択した。

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