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魔剣使い
官能リレー小説 - ファンタジー系

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魔剣使い 36

 振動する呪具を入れられた肛門と、根元を引き締められて絶頂に至れない苦痛にひくひくと痙攣する男根。じたばたとあがくと振動がよけいに響くことに気付いてからは、だらりと力を抜いた姿勢を保っている。
「よかったらそれあげるわ。人違いしたお詫びと、この荷物のお礼」
「いらねえ!」
「無理しないのよ。好きなんだろ?」
 女はおかしそうに笑いながら、部屋のドアに向かって歩き出した。彼は慌てた。
「てめっ、帰んな! せめてこいつを抜いてけ、頼むから!」
「口の利き方を知らないのね」
「お願いします抜いてください!」
 恥も外聞もなくそうわめく彼に、女はよくできましたと笑った。
 だが、懇願が聞き届けられることはなかった。
「じゃあね、また会いましょう」
「会うか!」
 彼女がひらひらと手を振りながら、ドアノブに手をかけたときだった。
 ちょうどそのタイミングで、ノックの音がした。
「恐れ入ります。ルームサービスをお持ちしました」
 女は彼を振り返った。タナハは困惑した。そんなものを頼んだ覚えはない。
 彼の表情に、その事実に気付いたのだろう。ち、と女は舌打ちした。
「思ったより早かったわね」
すぐさまドアから離れ、タナハの荷物をまさぐる。
中から取り出したのはナイフだ。
それを長年扱ってきたかのように、指先で踊らせる。軽く右手で握る。
それと同時に扉が乱暴に開かれた。
入ってきたのは3人組の男達。
「魔剣は俺たちの物だ!」
真っ直ぐに女に近付いて行く3人。
どうやら魔剣が目的のようだ。
女が腰を落とした。瞬間、女が消えた。
そして気付いた時には、3人が肉塊と化していた。
「な?!」
「あっけないわね…」
 悲鳴を上げる暇もなかった。
 彼の視界の中で、真っ赤な直線が複雑に交差し、一斉に降りかかってきた。なま温かく、またとろりとわずかに濁った液体が素肌を流れ落ちる。
 同時に、びちゃ、と液体ではない何かがいくつも全身にぶつかった。やわらかな固形の物体、その正体について考えることを、彼は拒否しようとした。だが、無駄なあがきだった。
「…!…っ!」
 タナハは言葉を失った。
 女は散らばった男たちの残骸に身を伏せると、湿った音を立てて、刃を何かから引き抜いた。
 そのまま立ち上がらない。何かを思案するように、じっと残骸を見つめている。
 数分はそうしていたように、タナハには感じられた。そしてようやく、彼女は動いた。しゃがみこんだまま手をのばす。
 分解された胴体の複数ある開口部に、彼女は自身の指を差し入れた。美しく整えられた指先が、どくどくとあふれ出る血に濡れ、ぐちゃ、ぐちゃ、と肉を裂いては侵入し、臓物をかき回す。
 ベッドの脇で彼女が何をしているのか、タナハには正確に見えていたわけではない。だが、じかに見るよりも生々しい水音が彼をさいなんでいた。

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