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魔剣使い
官能リレー小説 - ファンタジー系

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魔剣使い 4


その足で…女性ばかりの戦闘集団
『ヴァルキューレ・ドール』の野営地に
向かった。魔剣はうるさかったが、
しゃべる剣とゆうことで引き取って
もらえた。
「まぁ…俺よりはいいだろ」
俺はそれなりの金を手に安全な地域へ
旅立っていった。


「まったく…我を売るとは……無礼者が…
時代も変わったものだ……」

「よくしゃべる剣だな…」
急に女が声をかけてきた。
「魔剣だろうが…強そうには見えないな」
「………なんじゃと…」
気配からしてただものではないらしい。
百戦錬磨の戦士の気配だ。
なるほど、魔剣にふさわしい主ではあるかもしれない。
しかし。

「我が使い手はすでに選ばれた。我が封印を解いたもののみが我が力を引き出せるのだ…」

剣は、そうひとりごちると、考えた。
いかにして正しい使い手のもとに戻るか。



魔剣の正しい使い手(仮)は、当の魔剣を売り払った金をふところに、次の町へ向かっていた。
数日前、旅の途中に宿をとった町だ。

だが、彼を追いかけてくる騎影があった。
逃げる間もなく、馬に追いつかれ、進路をふさがれる。
馬具には神霊の槍をかかげる女神のレリーフが施されていた。
ヴァルキューレ・ドールの紋章だ。

何事かと見守っていると、全身鎧に身をかためた猛々しい女騎士が、馬上から彼に向かって何かを投げつけた。

「使えぬ剣などよこしやがって。とっとと金を返しな」

布にくるまれた細長い棒状のものが、地面に落ちて金属音を立てる。
布には見覚えがあった。
売り払ったはずの魔剣だ。彼は顔をしかめた。

「使えぬってことないだろ。魔石もついてるし、しゃべるんだぜ。ただの剣じゃねえよ」
「黙れ」
女戦士は短くさえぎった。
すらりと剣を抜くと、馬上から彼に突きつける。

「いいから金を返しな。詐欺師野郎は八つ裂きに処するが本来だが…わたしらは慈悲と殺戮の戦士。慈悲をもって、一度に限り見逃してやろう。ふたたびわたしらの目に触れれば、命はないものと思え」

厳しい声音に慈悲の響きは一片も感じられない。
ヴァルキューレ・ドールの苛烈は、全国に鳴り響いていた。敵とみなされた者たちが、どのような末路をたどったか。

彼は震え上がって女の言うとおりにするしかなかった。



遠ざかる騎影に胸をなでおろしながら、まあいい、と彼は思った。
あまりにうるさいから急いで売り払ってしまったが、もともと市でオークションにかけるつもりでいた。
うるさくとも魔剣には違いないのだ。
売るなとわめきちらしてはいるが、どうもわめく以上のことはできないようだし、売り払ってしまえばこちらのものである。
…同じ論法で売ったはずの女戦士が、なぜ返品してきたのか、彼は疑問に思うことをすっかり忘れていた。

町の武器屋で鞘でも作らせようと彼は考えた。
今はむき出しの刀身を布でくるんで荷物にくくりつけてある。

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