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魔剣使い
官能リレー小説 - ファンタジー系

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魔剣使い 30

 投げ出された褐色の脚がいやでも目についた。たるみの全くない、引き締まった腿、ふくらはぎ、足首、手指と同じように爪を真紅に染めた、形のよい足。
 スリットからその完璧な片脚がさらけ出され、薄布の向こうに、わずかに翳る秘所が透かし見えた。彼が思わず注視すると、彼女は挑発するように片脚をわざわざ大きく上げる。
 目線がそこに集中した途端だった。
 柔らかなピンクの足裏が、ガッ、と彼のものを軽く蹴りつけた。
「うああっ!」
 彼は外聞もなく悲鳴を上げた。
 軽く、などといっても、痛いものは痛い。脳天に痛覚が突き抜け、目に涙が滲んだ。
「痛いの?」
「痛、いに、きまって…!」
「…そう」
 うずくまるように膝を曲げようとするのを、女は許さなかった。彼の足を両わきに抱えるようにして開脚の姿勢を強要すると、蹴り足をそのまま股間に差し入れてくる。
「ここをこんなにしてるから、気持ち良いのかと思ったわ」
「!」
 タナハは驚愕に目を瞠った。猛烈に痛かった。冗談でなく死ぬかと思った。そのはずが。
「正直に言いなさい。気持ち良いのでしょう?」
 なぶるような口調で女はさらに足裏を股間に…完全に勃起し、天を向いて先走りを滴らせている男根に、ぐりぐりと押しつけた。
「うっあっ」
 思いがけないことだった。痛いばかりで、快感など感じる余地はなかったのだ。それなのに、男根は痛いほどに勃ち上がり、性的紅潮に全身が染まっている。
「気持ちよくなんか…」
「何か誤解しているのね」
 あわれむような口調で、女は言った。そのまま強く踏みつけられたと思うと、がくがくと押しつぶすように足が動かされる。
「ぐあっああッ!」
 蹴られているのと変わらない。気持ちよくなどない…タナハは悲鳴を洩らしながら思った。だが、彼の肉体はそうは思っていないようだった。刺激されるにつれ、硬くはりつめていく。
「痛みの奥に快感を見いだすのではないの。痛みこそが快感なのよ。苦痛を与えられるこの状況が至福。一目で分かったわ。あなたはそういう人」
 満足げにそう言い切って、女は激しい動きを止めた。
 爪を赤く染めた足指を曲げ、亀頭を柔らかく包み込まれる。鈴口に指を引っかけ、くにくにと、うってかわって優しく揉みしだく。
「体は正直だこと。もういきそうじゃないの」
 蔑むように言われる通り、タナハの男根は先走りにぐっしょりと濡れ、硬くはりつめて痙攣を繰り返していた。
 ゼイゼイと息を切らしながら、彼は不思議に思った。優しい愛撫は、苦痛に痺れたものに甘い快感をもたらしている。それなのに…もどかしくてならないのだ。焦らされていると感じてしまう。
 中で熱くたぎるものが溜まりにたまって、出口を求め渦巻いている。射精まであとほんのわずか。だのに、何かが足りない。

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