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魔剣使い
官能リレー小説 - ファンタジー系

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魔剣使い 29

 どうするのかと見守るうちに、女はハンドバッグから、細い縄の束を取り出した。
「? 何を、」
 眉をひそめると女は、シ、と彼の唇に人差し指を押し当てた。
「いい子にしてて。そう、おとなしくね。楽しませてあげる」

 子供に言い聞かせるような、甘ったるい猫撫で声だ。
 女は手際よく、ベッドの両端に彼の手首を括りつけた。食い込むほど強くはないが、引っ張ってもほどける様子はない。
 その間、彼は大人しく従っていた。都にはこういうやり方があるという噂は聞いている。不安と期待が半々だった。
  雰囲気を煽るように、女は乱暴にタナハのシャツを押し広げ、ズボンを脱がせる。きちんとドレスを纏ったままの女の下で、彼はほとんど全裸に剥かれてしまった。
 彼女はぐるりと彼の全身に視線を巡らせると、ちらりと舌を見せて唇をひと舐めした。肉食獣の舌なめずりそのものだ。ピンク色の舌先が、褐色の肌の上でひときわ鮮やかに映える。
 見とれるうちに、女が上体を倒してきた。舌が胸元を這いずり、乳首をざらりと舐め上げる。最初のうちは少しむずむずする程度だったが、ぴちゃぴちゃと水音をたてて一心に責められるうちに、未知の性感が呼び起こされ、彼は小さく息をあえがせた。
  真紅に染めた爪を、ぎり、と皮膚に食い込ませ、脇腹を引っ掻く。痛い。だが、乳首から来る下肢に響くような快感と、それは当然のように結びついて互いに共鳴した。タナハは背を反らしてぶるりと震えた。
 それに気付いたのか、女は不意に、カリ、と乳首に歯を立てた。
「くっ…」
 彼は、痛みに思わず小さく呻いた。同時に男根が、ずる、と頭を擡げる。女はそれを見て笑った。
 真紅の爪が、つと半勃ちの肉棒をなぞる。猛禽のように尖らせた爪だ。少し力を込めれば薄皮を切り裂くかもしれない恐怖に、背に冷たいものが流れ落ちる。
 だが、恐怖のために興奮が萎える気配はなかった。それどころか恐怖が動悸を高め、それに伴ってますます男根は硬度を増していく。
 爪でただ触れるだけの愛撫に物足りなさを感じて、彼は無意識に腰を浮かせた。だが女は、彼が期待したように手で扱いたりはしなかった。指で触れもせず、すぐに爪先も離れていく。
 彼は焦りを覚えた。いっそ爪を立ててほしいとすら、頭のどこかで考えたほどだ。
 女は彼の足を開かせた。無様に大股を開いた間に脚を投げ出すように座り込み、口の端をつり上げた、無慈悲な笑みで彼を下方から眺める。

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