PiPi's World 投稿小説

魔剣使い
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 22
 24
の最後へ

魔剣使い 24

一発撃ち出すごとに、限界ぎりぎりまで力を引き出してしまうのだ。
最初のときのように、その後すぐに剣が崩壊することはないが、それでも頻繁に『補給』が必要になる。

なので、タナハと剣は賞金を握りしめて売春宿に駆け込んだ。この一ヶ月で何度もそうしたように。
三人目の女は、この売春宿では屈指の名妓だというだけあって、客を喜ばせる手管に長け、磨き上げられた肢体の持ち主だった。
特に秘所は素晴らしかった。少々狭いくらいの膣内は、濡れた襞がざわざわと肉棒に吸い付き、女の思うまま搾り取るようにしめつける。
彼らはあくまで、魔剣の力の補給のためにやってきたのだ。
だというのに、そのままいったら、精を搾り取るだけ絞られて、補給のかなわぬまま金を払って帰るはめになるところだった。
そういうわけで、男としては悔しいながらも、剣の魔力に頼った次第である。女の魂を溢れさせ、絶頂を促進する力だ。
おかげで女は涎と涙を垂れ流しながら彼/蝕の肉棒によがり泣くことになったわけだが…

「三人じゃ足りないってか…」
ずぷ、と彼は女から男根を引き抜くと、隣に仰向いて寝転んだ。
剣がずるずると手の平から出てくる。
「最近の人の女は、以前に比べて魂の力が薄いのだ。この程度では許容の半分にも満たぬ」
「って言われてもなあ。どうすりゃいいんだ。これの倍以上じゃ、完璧、差し引きゼロだぞ」

金の問題か、と蝕は憤慨したようにいった。
金の問題である。
一度の報酬は高額だが、そのたび娼婦を最低五人以上、しかも短時間でなくほぼ一晩中買うとなると、旅費や生活費を含めて採算がとれないのが現実だ。
買う女のグレードを下げれば、少しは余裕も出ようというものだが…そこはタナハの我が儘である。
見かけの良し悪しはともかく、年齢的な許容範囲と、健康状態も気になる。
そうなると、やはり裏通りに立っているようなのは避けたい男心だ。

「魔や神霊の類ならば、我の必要とする力を濃く持っていようが…」
彼は顔をしかめた。
「ゲテものは勘弁してくれよ。せめて人間で頼むわ」
例外的に人間に似た姿をした種もいないではないが、魔や神霊は基本的に人間離れしたグロテスクな外見をしているものだ。
融合すれば異種属との交合も可能だと剣はいうが、人間型の種が、見た目通り人間と同じ構造の体とは限らない。

「そーゆーのは非常手段だな」
「そうであろうな。…最初の娘らは惜しいことをしたものだ」
つくづくといった調子で、剣はため息まじりにそういった。
「二人ながら、人の子には珍しい力ある魂を持っておったもの」
「いいかげんあきらめろって。わざわざあっち方面避けてんだから、もう二度と会うこともない」
のみならず、会ったら即逃亡である。

「惜しいことをしたものだ…」
その辺りの事情がわかっているのかどうか、魔剣は二度、そう繰り返した。



SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す