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魔剣使い
官能リレー小説 - ファンタジー系

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魔剣使い 17

腰を高く持ち上げ、前に倒しながら激しくピストンを繰り返す。泡立つ結合部から、娘の顔に男女の入り混じった液が飛び散った。
虎よ、虎よ、と娘は何度も繰り返す。
魔法の発動がなかったことに、彼も内心で首をかしげた。
『心配せずとも、この娘の魔法力ならば先ほどの絶頂の折りに全て我に注ぎ込まれたわ』
「そういうことは早く言えよ!」
『人の子の魔法力もまた魂の力のうち。こうして我と交わっておる間は、地と火の核精どもに流れることはない』
「そいつは助かるね」

娘を気の毒に思わないではない。だが、一応建前上は彼女を助けるための行為でもあるのだ。
彼は自分を納得させて行為に没頭…しようとした。

ふいに、首筋にひやりと冷たいものがあてられた。
「貴様…何をしている…!」

低く厳しい声が、すぐ頭の後ろから聞こえる。
おそるおそる首だけで振り向くと、金髪の女戦士が、いつの間にか目覚めてそこに立っていた。
多少ふらついて苦しげに身をかがめてはいるが、元気に彼の首に剣を押しあてている。

「おわっ!おっ、落ち着け!話せばわかる、これにはわけが…」
「婦女を辱めることに、どんなわけがあるというのだ…くそっ…我らは己自身と己の戦団のみにかしずく者だ。雇用者でもない他者を救う謂われはない…。我らは我らに対して敵せぬ者を、殺すことをよしとしない」
女は、葛藤するように呟いた。
ヴァルキューレ・ドールの団規なのだろう。
強力な戦力を誇るものが、みだりに一般人を傷つけたり、逆に義憤にかられてタダで仕事をしないための、厳しい規律だ。
これは助かるかも、と彼は少しだけ希望を抱いた。

だが数秒の沈黙ののち、彼女は静かにこういった。
「しかし私は、貴様のような輩を許せぬ。貴様は我が怒りを買った。死を与えるには十分な理由だ」

合意の上だという嘘も、死に体で精液にまみれている娘の惨状を前にしては、どう考えても効果なしだ。
絶体絶命と覚悟を決めかけたとき、彼の左手がすっと背後に動いた。
彼の意思ではなかった。魔剣の意識の流れを感じる。
背後を探るように泳がせた左手は、おしあてた刃を引いて動脈を斬ろうとする女の体を一瞬だけかすめた。

「ひゃうっ!」
裏返った悲鳴とともに、カランと女の手から剣が落ちた。
驚いて振り返ると、女が膝から崩れ落ちた。両手で肩を抱き、小刻みに震えながら体を小さく丸める。

「おい、どういうことだ?」
『少々力が戻ったゆえ、我が魔力を呼び水として、この戦士の魂を溢れ出させたのだ。ごくわずかにではあるが』
「つまり?」
『本来は性的高揚により体から魂が溢れ出る。その逆の現象を起こしたのだ』
「……ってことは」
彼は女の肩に手を置いた。
「アアッ!触れるなあっ!」
明らかに甘い響きの混じった叫びに、彼も驚いた。
もう一度試しにと、女の腕を掴み、こちらに引き寄せる。

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