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魔剣使い
官能リレー小説 - ファンタジー系

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魔剣使い 13

「ちょっと待ってろ、この娘をたたき起こして…」
彼は、気絶している娘を揺さぶろうとその肩に手をかけた。
「むすめ?そこに戦士以外に女がおるのか?」
剣の言葉に、彼はあきれた。
「お前、何見てたんだよ。魔法使いは女だったろう」
「前にも申したが、我に目はないのだ。そういうことは早く申せ!」
「………」
言い返す気力も起きない。厄介な性格の剣である。
剣は、口から唾を飛ばす勢いでわめいた。

「ならば疾く!疾くその女を貫かねばならぬ!我がうつし身の崩壊する前に!」
「……はい?」
彼は思わず聞き返した。
「女の血肉と交わらねば、我が真の力をこの現世に解き放つことはできん」
剣ははっきりきっぱりそういった。
「……えーと」
彼はぽりぽりと頭をかいた。
「それは、あれか?女を生け贄にする儀式とか、そういう意味で言ってる?」
生け贄を必要とする呪物というのは、思いのほか多い。だから驚くには当たらないのだが。
だとしたら、それは却下だ。
そう彼は考えた。
いくらせっぱ詰まった状況とはいえ、罪もない若い娘を殺せるものではない。それも一度助けられた相手だ。
Aランク以上の魔剣が崩壊してしまうのは実に、実にもったいない。しかし人間、越えてはならない一線がある。
だが、剣の答えは意外なものだった。

「だれが生け贄など求めておるか。我をそこらの賤しい呪い道具風情と一緒にするでない」
「え?じゃあ、どういう意味なんだ?」
「我が正規の使い手が女であったころは、我が疑似体と使い手が直接交感を為せば事足りた。だが、汝はそうはいかぬ。」
剣の言葉に、彼は必死でついていこうと頭を働かせた。
「使い手との間にしか、我は力の流通をはかれぬのだ。汝が力を取り込み、我に与えねばならぬ」
「どうすりゃいいんだ」
剣は、まるで教師のような説明口調で答えた。

「汝の肉体を媒介として、女子と交わる。交合の絶頂により女子の魂が一部、肉体より解き放たれる。それが我が力の源となるのだ」

彼はぽかんと口を開けた。
「……あー…そういう……マジで?」
「マジだ」
重々しく剣は肯定した。
「ちょっとそれはまずいんじゃ…こいつら気絶してるしさ」
彼は横たわる二人に目をやった。
魔法使いの小さな足に、なぜか目がいく。ローブの下は、膝丈のワンピースだった。
少し裾が乱れている。
彼はあわてて目をそらした。
「ではここで死ぬか?」
「うぐっ、それは…」
「もはや他に方法はない」
「まあ、そうだけど…」

為すすべもなく死ぬよりは、ずっとましだろう。
彼は自分にそう言い聞かせた。

剣は彼の承諾を待たずに行動に移った。
握っていた柄が、急に抵抗を失ったのだ。見れば、柄が手のひらに埋まっていた。
「ええっ?」
柄から鍔、刀身まで、ずぶずぶと腕に沈みこんでいく。

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