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モンスターハーレム 第2章
官能リレー小説 - ファンタジー系

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モンスターハーレム 第2章 85

「オレが聞きたいのはそんなことじゃないっ!
 なんでコイツを育てるのに、魔物が犠牲になってるのか聞いているんだッ!?」

あまりに淡々とした解説に、オレは激昂して叫ぶ。
くそっ。わかっていたとは言え、何でコイツはこんなにも淡々としていられんだよ!?

「簡単な話だ。反対派は予備としてあったこの木を奪い。
 訓練や信念についていけずに死んだ落ちこぼれたちを肥料にしたのさ」
「――――っ!!」

その言葉にオレはとっさにサークを見る。
コイツ・・・仲間を殺しただけでは飽き足らず、廃品利用までしやがったのか!?

「魔物の血肉は魔力と生命力にあふれているからな。
 コイツがここまで大きくなるのも納得だよ。
 ・・・で?反対派の筆頭殿はどうするつもりだ?
 今ならまだ間に合うぞ?」

オレの心情を読み取ったサルスベリが聞いてくる。
見殺しにしようとしまいとかまわないとばかりに淡々と。
それに対し、オレは・・・。

「・・・助けるって言ってんだろ。何度も同じことを言わせるな」

オレは最初と同じセリフを返してやった。
サークには返さなければならない借りが山ほどある。
それが今もう1つ増えたに過ぎない。
サルスベリもその答えは予想していたらしく、ニヤリと唇の端をゆがめている。
・・・コイツ、1回サークと一緒に性格改善のために調教したろか。

「ではさっそく治療を始めよう。ロカとサークを封育樹の中に」

オレの心を読んでいるのかと思えるくらい、絶妙なタイミングでサルスベリは治療の準備を開始した。くそっ。
封育樹さえあれば何とかできると公言していただけに、とても慣れた手際であった。

「よし。後は・・・」
「おいおい。他に何か必要なものがあるのか?」

死にかけた2人は封育樹にポッカリ開いたうろの中に入れられたところで、オレはまた厄介ごとを押し付けられるのかと不安げに聞く。
返ってきたのはサルスベリの満面の笑み。
・・・何だ?この笑顔、妙に怖い。何かどこかで見たような・・・。
そんなことを考えていたその時だ。急に身体から力が抜け、地面に片膝をつく。

「え・・・?」
「何、問題ない。ちょっとオマエに協力してもらうだけだからな」

その言葉でオレはあの笑顔をどこで見たのか、思い出した。
そうだ・・・!アレはオレや反対派の捕虜を捕まえたときの『あ、新しいモルモットが手に入ったんだ♪』とわかったときの笑顔だ!
ってことは・・・!
力が抜け、朦朧としてきた意識でまわりを見てみると、自分と同じように倒れている仲間たちの姿が目に入る。
しかしそんな中、サルスベリとアスタナビュートだけは平然と立っている。

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