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モンスターハーレム 第2章
官能リレー小説 - ファンタジー系

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モンスターハーレム 第2章 84

拡張された通路を進んでいくと、やがて狭い空間が広がる。
あたり一帯は真っ暗なままで何も見えない・・・はずなのだが。
周囲から『おお・・・!』とか感嘆の声が聞こえる。
やがて目が慣れてきたのか、ボンヤリと木のようなものが見えてきたが今1つハッキリと見えてこない。

「お〜い。ちとハッキリと見えないんだが。
 これが封育樹なのかー?」
「ちょっと待っててー。今明かりをつけたげるからー。
 光よ灯れ。不可視の世界を照らす希望となれ」

キュリエルの声とともに掲げた指先から光の玉が出現、あたりを照らし出す。
そして現れたものは・・・。

「おお・・・っ!?確かにこりゃすごいな・・・!」

拡張された空間の壁一面に生えた封育樹であった。
あの生々しい感じや血肉を思わせるあの色と言い・・・。
オレが入っていたものとほとんど同じだ。
違うのはその大きさ。オレの入っていたものより明らかに大きい。

「しっかし・・・これ、予備なんだろ?
 何で予備のほうがこんなにデカいんだよ」
「おそらくコイツら反対派がこの木を育てたんだろう。
 そうだな、ラープラ?」
「・・・そうだ」

苦々しげにラープラがサルスベリの問いに答える。
しかしオレは納得いかない。
この木は特殊な材料がなきゃ作れないんじゃなかったのか?
その疑問を口にすると、サルスベリはこの樹木の正体を淡々と解説してくれた。

「確かにこれを作るには特殊な材料がいる。
 だがコイツら反対派ならそれが簡単に手に入る。
 コイツを育てるための格好の肥料を、な」
「え?」
「封育樹とはな。魔力を糧に育てられた樹木のことを指すのさ。
 魔力と生命力にたっぷりの我々魔物の血肉は、コイツを育てるのにうってつけの食料だろう」

衝撃の事実に、目の前のナマモノ樹木はそれを肯定するかのように脈動を繰り返していた。
「お、おいおい、どういうこったよ、それ・・・?」

衝撃の事実に、オレだけでなく、何も知らないミミたちパーティのメンバーの何人かも顔を青くしている。
そんなオレたちのために、サルスベリはわかりやすく説明してくれた。

「言ったとおりの意味さ。
 封育樹を作るには選別された木の苗に、水ではなく魔力を注いで作られる。
 魔力を注がれ続けた木は大量の魔力を受けて変質し、水ではなく地脈や霊脈の力を養分にして育つ魔性の植物となるのだ」

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