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モンスターハーレム 第2章
官能リレー小説 - ファンタジー系

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モンスターハーレム 第2章 83

ちなみに・・・今回案内役をしている反対派のメンバー、ラープラにはオレの力を使っていない。
正確には力というより本能を刺激するんだけどね。
あの絶対零度に冷えきった殺意の中で、交尾なんてとてもできる雰囲気じゃなかった。
ヤッてたらたぶん殺されてたんじゃなかろーか。
サルスベリたちもそれを十二分に察知していたらしく、今回は手法を変え、脅迫と交渉で従わせている。
彼女に反対派筆頭のサークの瀕死のさまを見せつけ、反対派復活の希望があることをにおわせたのだ。
もちろんオレの黄金の精液のことや、すでに非処女になっていることは伏せたままで。
そこに言うこと聞かないとサルスベリの実験台にするぞと脅し、今の状態に至る。
さすがにいろいろと葛藤はあったようだが、指導者であり、自分を育てたサークを見捨てることはできなかったらしい。
サークの最後の一兵まで戦い抜こうとする精神と、自分と意見を共にする同志を育てたことが、この結果を生んだのだ。
サークがこの結果を知ったらどんな反応を・・・いやアイツのことだ、怒り狂ってラープラを殺してしまうか。
治療後はコイツの安全も確保しないとな、などと考えている間に、ラープラは何もない行き止まりの前でその歩みを止めた。
どうやらここに封育樹のある隠し部屋があるらしい。
ラープラはオレたちに苦々しげに視線を送り、ついで一緒に運ばれた重病人のサークに視線を送る。
そして何かをあきらめたような表情を浮かべると、ある地点でしゃがんで床のレンガとレンガの隙間に指を突っ込む。
床に突っ込ませた指が再び姿を現すと同時に床面が剥がれ、さらなる地下への道があらわになる。
しかしそれは開発中のものなのか、手ずから掘ったものなのか。
新しい通路は土が露出していて迷宮と言うより洞窟の様相を呈していた。

「迷宮を掘って作った空間に隠したのか。
 確かにこれなら見つかることはまずないな」

オルゾスが誰ともなくつぶやく。
確かに広大な迷宮を拡張しようなんてヤツはまずいないだろう。
聞けばこの迷宮、広すぎて一部が放置され、詳細がわからなくなっているところもあるらしい。
おいおい大丈夫かよ、とも思ったがナナリのようなスカウト系やフォリオ・白亜のような探知型の魔物もいるので問題ないのだろうと思い直す。
とか余計なことを考えているうちにラープラが新しい通路へと下りていく。
いよいよこの2人に借りと貸しが返せるそのときを感じ、オレは今の立場のことなどすっかり忘れて獰猛な笑みを浮かべるのであった。

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