モンスターハーレム 第2章 79
その瞬間、戦場を閃光が包み込む。
それをチャンスだと思ったラープラは先刻までの記憶を頼りに、剣を横になぎ払う。
そして光の消えると同時に、彼女の剣は空を切った。
「え・・・?」
「甘い」
背後から声が聞こえ、振り向くと同時に背後から衝撃が走る。
いつの間にか背後に回りこんだ狭霧が、肩からの体当たりを食らわしたのだ。
吹き飛ばされ、地面を転がるラープラ。
すぐさま立ち上がって反撃しようと試みるが・・・。
身体が痺れたようになり、思うように動けない。
「勝負あり、だな」
「貴・・・様ぁっ、な・・・に、を・・・!」
「ムダだ。さっき攻撃と同時に私の気を送り込んだ。
しばらくは動けんよ。
勝負を決めるのが魔法だと気づいたところは見事だが、それを攻撃魔法に限定したのはまずかったな。
それとも使える魔法がそれしかなかったのか」
「・・・・・・!!」
そう言われてラープラは、先ほどの攻撃が空振りした理由を悟った。
狭霧は最初から攻撃魔法で自分を倒すつもりなどなかったのだ。
先ほどの魔法は次の攻撃のための布石。
強化魔法を使うまでの時間稼ぎだったのだ。
おそらく光で目のくらんだ瞬間、狭霧は強化魔法でスピードを上げ、背後に回った。
相手も目がくらんでいるに違いないと思い込んだラープラは、目先の欲に駆られて誰もいない空間に剣を振り払った――。
次のことを考えていた狭霧と勝つことだけにとらわれたラープラ。
その思考の差が明暗を分けたのだった。
「お・・・お、のれェェッ・・・!!こ、のままッ!
おめおめ、と・・・生き恥を・・・さらすならァッ!」
バキッ!
「死を選ぶ、か。敵ながらその精神は天晴れだが。
負けた時点で、生殺与奪の権利は勝者にあると知るべきだな」
ラープラの行動を読んでいた狭霧は、蹴りで気絶させてから意識のない相手にアドバイスを贈ってやった。
こうして狭霧は反対派の古参メンバー、ラープラを手土産に堂々の帰還を果たすのであった。
また他のメンバーも反対派の残党を狩り尽くし、各々手土産を片手に帰還を開始していた。
オレが治療名目の3Pどころか5Pを楽しんでいるとは思いもせずに。
――――
それから1時間後。
「ふうッ・・・!はぁッ・・・!」
「んッ・・・ふあッ・・・!」
ロカとサークはオレの黄金の精液で、だいぶ体力が回復してきたようだった。
外と中といろいろ出してみたが、直接傷口に塗ればその部分を、体内に出せば身体全体を回復させる効果があるらしい。
そのおかげで2人の傷は減り、体力も回復してきたようだが・・・。
サルスベリが言っていたように、それだけでは決定力に欠けているらしい。
出し続けていれば元気になっていくようだが、放っておくとすぐまた悪化するのだ。