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モンスターハーレム 第2章
官能リレー小説 - ファンタジー系

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モンスターハーレム 第2章 66

もっとも壁といっても隠し扉もない、分厚い壁なのでお互いその存在に気づいてはいない。
しかしリザは幸運だった。
ニオルドの部隊はオレたちの追撃を恐れるあまり、慎重になりすぎ、移動にはこまめな急速を必要としていた。
この時も身隠しの魔法で疲弊した兵士たちを休ませるため、休憩をとっていた。

ガキンッ!!ガキガキィンッ!!

すさまじい剣戟が戦場を包む。敵はサイクロプスやミノタウロス、トロールなどのタフネス型やパワー型が多く、苦戦していた。

(くっ!!これ以上の恥の上塗りは避けられないっ!
 みんなを見返すためにもここでがんばらないとっ!)

思い出される屈辱の日々。おもらしを見られたこと。
任務失敗をなじられたこと。
仲間たちから存在を気づいてもらえず、踏みつけられたこと。
思い出していくうち、知らず怒りと憎悪と羞恥が募る。

「ウオオォォオッ!!」
「これ以上・・・あんな恥ずかしい思いをしてたまるかぁッ!?」

封身解放したサイクロプスの一撃を刀で受け止めると、訳のわからないことを叫びながら吹っ飛ばす。
そしてそのまま、彼女はとんでもない命令を下した。

「魔法兵!奴らを一網打尽にする!派手に1発お見舞いしてやれッ!」
「お、恐れながらリザ様ッ!それでは味方も巻き込む恐れがッ!?」
「んなもん、『あんぎゃああぁぁッ!?』とかギャグっぽい悲鳴を出させておけば大丈夫だッ!!
 いいから早くぶっ放せッ!!」
「し、しかし・・・!!」
「やれッ!!」

・・・ムチャクチャである。
どうやら先ほどの回想で、頭のねじが1本飛んだらしい。
もはやこれ以上の会話は身の危険に通じると判断した部下は、非難覚悟で魔法兵に攻撃を命じる。
彼女らもひどく驚いたが指揮官の指令とあらばと魔法を唱え始める。
練り上げられていく魔力が渦を巻いて集まっていく。
それに気づいた兵士たちは敵味方問わず驚き、何人かはあわてて避難する。
・・・が。時すでに遅し。

ドッカアァァアアァァンッ!!!!

『あんぎゃあぁぁああッ!?』

ギャグっぽい悲鳴とともに、あたり一面が吹っ飛んだ。
同時刻。休憩をとっていたニオルドたちは、突然の振動に大いに驚かされていた。

「な、何だっ、何が起こった!?」
「わ、わかりません!!ニオルド様!急ぎこちらへっ!」

突然の振動にあわてた彼女らは、急いで迎撃の準備を整える。
逃亡中の敗軍としては、悪くない選択だが。
今回ばかりはさすがに逃げるべきだった。

ピキッ・・・ピキピキッ・・・!!

「!?」

振動が大きくなるにつれ、突然壁にヒビが入る。
次の瞬間、ヒビの入った壁は爆音と爆風を伴って崩壊。
いくつもの破片となってニオルドたちに襲いかかった。

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