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モンスターハーレム 第2章
官能リレー小説 - ファンタジー系

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モンスターハーレム 第2章 61


そこまで言われてオレは思い出した。
オレがこの世に生を受けたとき、最初に見たもの。それは・・・。

「そうだ。『封育樹』だ。
 もっとも生まれたばかりのオマエはアレを壊してしまって再利用の目処は立っていないがな」

あうっ!?またしてもここでオレにお鉢が回ってきますかっ!?
知らなかったことと言え、あのナマモノ樹木を壊してしまったことで仲間たちから無言のプレッシャーが押し付けられる。
特にリザから。
あ〜、そう言えばこのおもらしドジっ娘はアレの警備担当でしたっけね。
・・・ああ、ごめんなさいごめんなさい。
だってここでアレが必要になるとは思わなかったんだよ〜っ!!
あ、封育樹については第1章の最初あたりを読んでね?
「でもちょっと待ってくれよ。」
リザが刺すような視線でオレを見ている。
だがあえて無視して続ける。
「オレはあの時確か、透明部分を押し破って外に出ただけのハズだぜ?どうして再利用のめどが立たないんだ?あのナマモノ樹木、生物を生成するくらいだから相当な生命力を持っているはずだ。しかも、中で建造していたのは魔族の英雄たちの能力を結集した新たなる魔王。それほどの代物ならとっくに回復してそうなもんだ。」
 
それを聞いたサルスベリがぐっと詰まったような表情になった。
しかしそれは失言とかそういった種類の後悔じゃない。
自分の無力さを嘆く類のものだった。

「・・・真に不本意だが、アレは私1人で直せるような代物ではないのだよ。
 アレは我ら魔物の技術の粋を集めて作られる、英知の結晶。
 特殊な材料、膨大な時間、魔法使い、技術者、生贄などの人手を総動員してやっと作れるものなのだ。
 今の状態でそれがどれだけ難しいことか、その価値のわからない、おバカなオマエでもよくわかるだろう?」
「あー・・・なるほどね」

サルスベリの半ば八つ当たり気味の指摘に、オレは苦笑を浮かべるしかない。
あんな気色の悪いものがそんなご大層な代物だとは、ね。
しかしそうなると別の問題も出てくる。
ナナリがその疑問を口にした。

「ちょっと待ってください。
 それではラグ様がそれを壊した以上、ロカ殿たちの治療は不可能ということですか?」
「いや、そうとも言えない。が、少々それには問題があるんだ」

そこで語られるのは魔王復活派と反対派の戦いの歴史。

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