モンスターハーレム 第2章 42
「しまっ・・・!?」
「オルゥゥアアァァアアッ!!」
ガキィンッ!ガキガキガキガキガキィンッ!
次の瞬間、刃の豪雨がオレに向かって降り注いだ。
オレはとっさに剣で受け止めるも、サークはお構いなしに剣斧を振り回す。
や、ヤバいっ・・・!こんな攻撃、何度も受けてたら武器のほうが音を上げちまう・・・っ!?
「ラグっ!!」
「・・・!!(危ないっ!!)」
オレのピンチに、仲間たちが一斉に動き出す。
オルゾスとサルモネラが体当たりを食らわし、サークを引き離そうと試みる。
しかしバーサーカーと化したサークを吹き飛ばすには至らない。
せいぜい数歩よろけさせただけだ。
「サーク様、御免ッ!」
「・・・ヒュッ!!」
そこに間髪入れずにリザの上空からの斬撃、ハロンの投げナイフの追撃が入る。
ガキィンッ!ドスッ!ドストスッ!
「グ・・・グオオォォッ!?」
サークは本能的にもっとも危険なリザの一撃を防ぐが手が足りない。
ハロンのナイフがサークの背中に刺さっていく。
「スキありィッ!」
「でえいっ!!」
そこに再びオレとミミが体当たりを食らわせてサークを吹っ飛ばす。
そしてそこにとどめとばかりに・・・。
「ゴメンね、サークちゃん〜?
私をイカせられる逸材、失うわけにはいかないからさ〜♪」
・・・ゴウッ!
キュリエルの電撃魔法がサークの身体を飲み込んだ。
直撃を食らったサークの身体は吹き飛ばされ、その先にある壁にたたきつけられ、地面に倒れ伏した。
「ハァ・・・ハァ・・・。な、何だったんだ、今のは!?」
「サークちゃんだよ。でもどうしたんだろ。
あんなバカみたいな戦い方をするコじゃなかったはずだけど・・・?」
台風一過に思わず安堵のため息をつくオレと、別人のようなサークに首をひねるキュリエル。
しかしホッとするのもつかの間、ミミたちの介抱を受けるナナリが突然大声を上げた。
「みんなッ!気を抜くんじゃないッ!?
ソイツはすぐにでも起き上がって来・・・ッ!?」
「え?」
突然大声を上げたナナリが、急にこわばった顔で言葉を止める。
何があったんだと、ひょいと彼女の視線の先を見ようと右を向くと・・・。
「グオルルルルゥ・・・!!」
全身ヤケドだらけのサークが、よだれを垂らしながら立ち上がっていた。
・・・正直、タチの悪い冗談か何かだと思った。
ハロンのナイフは刺さったままだし、全身先ほどの電撃で全身真っ黒こげ。