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モンスターハーレム 第2章
官能リレー小説 - ファンタジー系

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モンスターハーレム 第2章 372


「ん〜と・・・何の話をしてたんだっけ?」
「る、ルンが倒れてたからどうやって倒したんだって話だよ、うんっ!」

できる限り彼女の傷のことに触れてほしくないオレは、ひやひやしながら答えた。
つーか、さっきまで話していたことすら簡単に忘れられる、このマイペースさ。
すっごいやりづらい。少しでも油断すれば、うっかりよけいなことを口走ってしまいそうだ。

「あ〜あ〜、そうだったね〜。で〜?どうやってルンちゃんを倒したのぉ?」
「べ、別に倒したってほどのことでもねえよ。
 おまえだって、今まで何回もアイツの相手をしてきたんだろ?」

眠たそうな目で小首を傾げながら話を続けるウネリに、オレは当たり障りのない言葉を選んで返す。
同じ異名持ちを何度もあしらってきた実績を持ち出された彼女は、『ん〜ん』と言って首を横に振った。

「ルンちゃん、とってもしつこいのぉ。
 それこそ殺さなきゃわからないってくらいぃ。
 でもいざ殺そうとすると、それを察知して距離を取られてぇ。
 で、こっちがあきらめたあたりでまたちょっかいを出してくるのぉ。いやらしいでしょお?
 私もいーかげん、疲れてたの〜」

・・・うっとうしいから殺すとかってその短絡的な思考、どうにかなりませんか。
作られた存在であるオレが言うのも何だが、もうちょっと仲間意識ってものを考えたほうがいいと思う。
あきれ果てるオレに対し、ウネリはずいと間合いを詰め、上目づかいで聞いてくる。

「だから〜、教えてほしいのぉ。
 あのしつこいルンちゃんをどうやって倒しちゃったのか〜。
 その方法がわかれば、私も困らなくて済むでしょお?」

確かにそうかもしれないが。それでもしオレがルンを殺す方法を教えちゃったりしたらどうするつもりなんだよ!?
本気で殺しかねないあたり、うかつなことは口にできない。
さりとていいかげんなことを言ったら、こっちの身が危ないかもしれない。
さて、いったいどう答えたものか?
ウネリは事あるごとに迫ってくるルンを何とかしたいわけだ。
だけどそのたびに殺し合いを始められては、オレがたいへん困るわけで。
だったら殺し以外でルンを黙らせる方法を教えてやればいい。
オレの知っている方法でそんな便利なのとなると・・・やっぱりエロだな。
とゆーか、それ以外の方法なんて知らん。
・・・考えてみれば、オレって戦う・寝る・ヤる以外のことはやってねーよな。
しかも戦うたびに戦闘力が、ヤるたびに性欲と精力が跳ね上がってるよーな・・・。
このまま行ったらそれ以外に能のないダメ魔王になってしまいそうな気がする。
それはあまりにも嫌すぎる。今度オルゾスかテスあたりに相談でもしておこう。

(だが、今は・・・!)

オレは意を決すると、ニッコリと極上の笑みを浮かべてウネリの質問に答えてやった。

「そうだな、露骨に追っ払おうとするから逃げられるんじゃないのか?
 相手の思惑に乗っかるフリをして、それを上回る結果を出してやればおとなしくなると思うぜ?」
「ん〜?それってぇ、ルンちゃんとHするふりをして近づいたところを仕留めろってことぉ?」
「違う違う!油断したところを狙うのは一緒だけど、殺したりしちゃダメだって!
 Hの主導権を握って、ウネリには何をやってもかなわないって思わせるんだよっ!」
「え〜?殺しちゃダメなのぉ〜?なんでぇ〜?殺しちゃったほうが早いよぉ〜」
「うっとうしいって思うたびに仲間殺してたら、人間来たときにもっと面倒くさい思いすんだろがっ!?
 いいかげん、その短絡思考をやめろっ!」
「お〜・・・!なるほどぉ〜・・・!そーゆーこともあるのかぁ〜・・・」

オレのツッコミに目から鱗が落ちたような顔で何度もうなずくウネリ。
こ、コイツ・・・!もしかして実力はあるけど、頭は全然それについていってないんじゃないか?
しかも性格、ものっそい面倒くさがりっぽいし!
カグラのヤツ、何を考えてこんなバカを異名持ちにしやがったんだ?
いや、こんなヤツでも使わなければならないほど、個々の連中は追い詰められているのか?
とにかく今はコイツに殺す以外の方法を教えてやらなければ!
仲間内の大量虐殺を止めるためにも、オレは全力で彼女の説得を続けた。

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