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モンスターハーレム 第2章
官能リレー小説 - ファンタジー系

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モンスターハーレム 第2章 371


「ねえねえ?私、なんでここにいるか知りたいんだけどぉ・・・キミ、何か知らない?
 ・・・て言うか、そこに倒れてるの、ルンちゃんだよね?
 キミが倒したの?なんで?どうして?あのしつこいルンちゃんをどうやって?」

もともと深く考えるのは苦手なタイプなのだろう。
ウネリは次々と浮かび上がる疑問を片っ端からぶつけてきた。
まぁいろいろ聞きたい気持ちはわかる・・・が。。

「ま、待て待てっ!そんないっぺんに質問されても答えらんねえって!
 1つずつ、答えを聞いてから次の質問やってくれや!?」
「・・・んい。それもそ〜だね〜。
 んじゃ、もっかい、今度は1つずつ質問するねぇ?」

オレの言葉にあっさり納得したウネリはそう言って改めて1つずつ質問をしてきた。
な、何だコイツ。こんなマイペースなヤツ、初めて見たぞ?
とりあえず変に機嫌を損ねてまたドンパチやるのも嫌だし・・・これでコミュニケーションを深めていくとしよう

「んと、ねえ。キミはだあれ?」
「オレは、ラグ。魔王代理のカグラが作った人工魔王ってヤツ、らしい」
「らしい?」
「自分が意識を取り戻した・・・いや、この場合は獲得したって言ったほうが正しいのか?
 とにかく、その時の状況とカグラから教えてもらった話からそーゆーことになっている。
 カグラはオレに弱体化したモンスター女だけのダンジョン『愚者の迷宮』の支配者となり、魔物の勢力を盛り返したいと思っているって話だ」
「ん〜・・・よくわかんないけどぉ。とにかくキミは人間じゃなくて、魔物なんだね?うん、わかった」

言っていることを理解できないのか、それとも自分の知りたいこと以外に興味はないのか。
ウネリは顎に指を当て、かわいらしく首をかしげながらそう答えた。
まあ自分の出自はともかく、カグラは他にもいろいろ何か企んでそうな感じだったが・・・根拠のない、オレの勝手な思い込みだし、言う必要はないだろう。
しかし自分のことながら、ものすごい胡散臭い人間(いや魔物か?)だよな、オレ。
気が付いたらナマモノ樹木こと封育樹の中に閉じ込められてて、出てみれば人間に化身させられた女ばっかりの迷宮で魔王やれとか言われて。
しかも一部じゃ存在否定されるくらい嫌われてて、殺されかけたこともあったしな。
どんな星の下に生まれればこんな奇天烈人生になるんだか。

「じゃあ次の質問ね?私・・・あ、私ウネリって言うんだけどぉ。
 私、なんでこんなところに寝かされてるの?
 しかも包帯グルグル巻きで。何か動くとビリビリして痛いんだぁ?」

ギクッ!

ウネリの何気ない次の質問を聞いて、オレは思わず身体をこわばらせた。
何しろ彼女をズタボロにしたのはオレのせいなのだから。
いや、正確にはキュリエルが暴走したせいなんだけど。
一応アイツもオレの仲間なわけだし、何とかごまかさねばならない。
ここで正直に答えて、そこに倒れてるキュリエルやルンを殺そうとされてはかなわない。
さてどうしたものか?
どう返答したものか考えるオレの視界に、事態をややこしくする厄介者の姿が映る。

(ゲ―――!?)
「ん・・・?んー?」

ウネリをボコボコにした張本人、キュリエルが今まさに目覚めようとしていたのだ!
マズい!目覚めつつあるキュリエルを見て、最初に思ったことはそれだった。
何しろキュリエルはウネリを殺そうとしたのだ。
幸いウネリはキュリエルが自分を殺そうとした相手だとまだ気づいていない。
だが何の拍子でそれを思い出すか、わかったもんじゃない。
もし気づいたら、その瞬間にこれまでのいい雰囲気は吹っ飛び、即座にバトル開始となだれ込むだろう。
あの時は何とかなったが、今回もうまく事を運ぶ自信はない。
何とかしてキュリエルが目覚めるのを止めなくては!
そう思ったオレはあわてて彼女の元に駆け寄り・・・。
考えるより先に、彼女のやわらかな腹に鉄拳をたたき込んでいた。

「ぐぼおっ!?」
「あ」

あまりに短絡的な自分の行動にしまったと思うがもう遅い。
キュリエルは白目をむいて気絶してしまっていた。
いろいろ思うところもあるが、やってしまったことは仕方がない。
とりあえず彼女のことは置いておいて、ウネリのほうを片づけることにする。

「・・・?どーしたのぉ?いきなり走り出したりしてぇ?
 何か変な声が聞こえたけど・・・何かあったのぉ?」
「い、いやっ!何でもない!目が覚めたかと思ったんだが、気のせいだった!」
「ん〜?そお?ならいっか。それじゃあ、お話の続き、しよお?」

どうやら彼女はあまり細かいことには頓着しない性格だったらしい。
それ以上キュリエルのことは追求せず、こっちに来いとばかりに自分のベッドをたたく。
よし、まずは第1段階突破だ。
あとは再び殺し合いが始まらないように、うまく解決してやらなければ!
タイムリミット付きの命がけの交渉をしている気がしないでもないが、自身の平和のためにもがんばるしかない。
オレは心の中で自分の両頬たたいて気合を入れ、ウネリとの会話を再開した。

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