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モンスターハーレム 第2章
官能リレー小説 - ファンタジー系

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モンスターハーレム 第2章 362


「・・・んん?」

オレが混乱する中、謎の人物がオレの存在に気づき、声を上げる。
女だけの迷宮、それもその最深部に男がいるのだ。
嫌でも気になってしまうのは仕方のないことだろう。
彼女は遅い足取りでオレのところまで歩み寄ると、ローブからしわがれた枯れ木のような右手を出してオレに触った。
「なるほどのう。確かにそこらの魔物じゃ出せない力量はある。けど、まだ路端の石程度だね」
一人で納得して老婆は手を離す。
「あんた、一体誰なんだ」
気を抜けば潰されるほどの圧倒的な重圧感、キュリエルすらも捻じ伏せる力。
只者ではないと。
「馬鹿!!この方はおまえが気安く声をかけて良い人じゃないんだぞ。申し訳ございません!!こいつはまだ目上の方に対する態度が成ってなくて」
慌ててオルゾスがラグの態度に注意する。
「別に構わないよ。私の名はヴァイア、隠居したただの婆だよ」
どこがと即座にツッコミたくなる古参組み。
「この方はリヴァイアサンと言う大海を支配していた種の一人で、ここでは海王と呼ばれていた方だ」
「お止しよ。その二つ名は今は娘のもんだよ。それにしても娘も娘で何をやってんだろうね」
補足したロカに、ヴァイアは苦笑しながら違うと言う。
「それにしても久しぶりだね。ロカ、サルスベリ、ソウルイーター。随分と見ない内に女になったじゃないか」
言われて照れる三人。
「しかし、ヴァイア様。なぜ、貴方のような方がここに居るのですか?普段ならこのような御遊び紛いの事に介入なさらない貴方が」
「カグラが造った人造魔王に興味を持っただけさね。それと休日がてら里帰りだよ。ついでにあの二人も戻っておるよ。久々に我々が集う事になるね」
「!?!?!?」
ヴァイアの言葉にロカ、オルゾス、サルスベリが愕然とする。
ヴァイアを含めた三人が揃う。つまり、外部からの進入が容易いと言っているのと同じだ。
「では、迷宮の入り口は!!」
「安心おし。それに関しては死凄獣の三人に任せておるよ。ついでにあってくるかい?ソウルイーター」

その瞬間、ソウルイーターは今まで見せたことのない、すっごい複雑そうな表情を浮かべた。
何と言うか、すごく気になるけど行きたくない、みたいな顔・・・と言えばいいだろうか?
・・・何だ?その『シセージュー』とか言う3人、サークみたいな問題児なのか?
オレの疑問をよそに、ソウルイーターはたっぷり間をおいてから謎の老婆の質問に答えた。
ものすごい葛藤や不安、迷いをにじませながら。

「・・・いえ。遠慮しておきます。
 あの3人の実力は私も十分に知っていますし。だい、じょう・・・ぶ、で・・・しょうっ・・・。
 そう、大丈夫・・・大丈夫のはず・・・ですっ・・・!」

な、何だ!?あの苦悶に満ちた回答は!?
じ、実力はあるとか言いながら無茶苦茶不安そうじゃねーか!?
つーか明らかに自分で自分を説得・・・いや考えることを放棄しようとして、それでも放棄しきれなくているし!
い、いったいどんなヤツらなんだ、そのシセージューってのは!?

「そうかい。そうだね。そのほうがいいだろうね」

ソウルイーターの様子に混乱するオレをよそに、謎の老婆ヴァイアは納得したようにうなずいた、その時だった。
ドッ・・・ゴオオォォォン・・・!
ゴ・・・ゴゴゴゴ・・・・・・!!

『!?』

突然遠くで何かが爆発するような音とともに地面が・・・いや、魔水区全体が大きく揺れ出した。
地震か?それともどこかのバカな魔物が何かやらかしたのか?
・・・これまでの経験上から考えてたぶん後者だな。
しかもこれ、発生源が1つじゃない。ほとんど同時だからわかりにくいけど・・・たぶん2つ、か?

「・・・っ!アイツら・・・!まさかもう何かやらかしたんじゃ・・・!?」
「・・・違うね。こりゃ、あのバカたちの仕業じゃない。
 私以外の三王のご帰還ってとこか。あの派手好きのババアどもめ。
 ちったあ人間の目を気にして来た私の立場を考えろってんだ」
「ま、まさかボーデン様とヴェーチェル様がもう・・・!?」
「い、いかん!拙者は急いでカグラ様に報告に行ってくるでござる!
 サルスベリ殿!その間我が子の面倒は頼んだぞっ!!」

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