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モンスターハーレム 第2章
官能リレー小説 - ファンタジー系

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モンスターハーレム 第2章 361


「くっ・・・こ、このぉッ!?」

追い詰められたキュリエルは苦し紛れに魔法を放ち、追いかけてくる奔流に向かってぶっ飛ばした。
激しい爆音とともに大量の水が雨のようにあたりにまき散らかされる。
しかしそれでも水の動きは止まらない。
爆炎を受けてなお動き続ける数本の激流は、キュリエルに命中し、水の玉となって彼女を包み込む!

「がぼぼッ!?がぼっ・・・ごぼッ・・・!!」

酸素の供給を止められたキュリエルは水球の中で何やらもがいていたようだったが。
やがて力尽きてオレと同じように地面に向かって落ちていく。
お、おいおい・・・!あれ、もしかしておぼれたんじゃねえのか!?
そうこうしているうちにキュリエルが暴れるのをやめ、ぐったりしてくる。
・・・って、オイ!?
いくらなんでもそれはシャレにならねえぞ!?
ようやく海に墜落したオレは、傷口から血があふれるのもかまわず、高速平泳ぎで海面まで浮上。
そのまま岸に向かって今度はクロールで救出に向かう。

「うおおおおおッ!待ってろキュリエルぅ!!今すぐ助けに行くかんなぁッ!!」

一足先に駆け付けた仲間たちも、何とかキュリエルを助け出そうとするが、相手は水だ。
引きずり出そうとしても水が一緒についてくるし、魔法で解除しようにもなしのつぶて。
だからと言って強引に火炎魔法ブチかました日にゃ、中のキュリエルがどうなるかわからない。
絶体絶命のピンチにみなが手をこまねいていると。

・・・パンッ!

「・・・え?」

突然水球が破裂し、中から囚われのキュリエルが解放された。
あらゆる手段を用いてもびくともしなかった水球が、あっけなく。突然に。
あまりにも信じられない展開に、助けに来たものたちはその目的も忘れ、呆然とする。
そんな中、何も知らないオレはただひたすら海を泳ぎまくっていた。
もうここまで来るとピエロ以外の何物でもないな、オレ。

『まったく・・・どうしてこう近頃の若いモンは年寄りの言うことを聞かないのかね・・・?
 敬老精神がなってないにもほどがあるよ』
「・・・っ!この声・・・まさか・・・!?」
「あの方がいらっしゃったのか!?こんな魔物同士のお遊びにも似た小競り合いに!?」
「ありえん!こんな些事にあの方が手を下すなどっ・・・!?」

再び響く謎の声。
その声の正体に気づいたオルゾス・サルスベリ・ロカの3人は驚愕した様子で海を見やる。
すると海面が不自然な渦を巻き、やがてそれは天(天井)にも届かんばかりの水のトンネルを作り出す。
そこから姿を現したのは・・・?

ザザザザッ・・・!

海水のトンネルから出てきたのは見るからに怪しいローブをまとった謎の人物。
『妖しい』ではなく『怪しい』と言っているのがポイントだ。
これまでにもゾッとするような美しさを誇る化け物のような・・・ってか化け物女たちと戦ってきたが、目の前のヤツとは比べ物にならない。
外見的にも、雰囲気的にも。
まず最大の特徴なのがローブの裾から伸びている巨大なシッポ。
それはシッポと言うよりも触手か何かのように蛇の胴体のように太く、長い。
だが先端にある尾ビレが触手でなくシッポであることを如実に物語っている。
鱗はなく、澄んだ水のような青い色をしており、まったく動こうとしない本体に代わってうねうねと動いている。
一時的に正体を取り戻す『封身解放』と違っているのかと思えばそうではない。
あれは力がすごすぎて人間の形に押し込めないでいるだけなのだ。
その証拠に、こうして見ているだけなのにものすごい重圧感がオレたちを襲っており、ちょっとでも気を抜けば押しつぶされてしまいそうだ。
事実非戦闘員の仲間たちはすでにプレッシャーに負け、こうべを垂れるようにその場に押し付けられている。

「まったく・・・カグラのヤツにここを任せたのは失敗だったかね。
 こんなアバズレ1人思い通りにできないのかい」

謎の人物はブツブツ文句を言いながらゆっくりと浜辺に着地した。
すると水のトンネルは役目を終えたとばかりに姿を消し、後には謎の人物を守るように浮遊するいくつもの水の玉だけが残された。
声からしてたぶん女。しかもかなりイイ年をしているようだ。
だからこそオレは信じられなかった。
こんな高齢そうな声を出す女が、キュリエルをあっさりと倒したなど。
確かに年齢を重ねれば魔力は練れる。身体を強くもできる。
しかしそれには限界がある。
ある年齢を過ぎたあたりから身体は衰え始め、それまで鍛え上げた力は素手ですくいあげた水のようにこぼれ落ちていく。
なのに目の前の人物はそれだけの年齢を感じさせながら、まるで衰えた様子がない。
いったいコイツは何なのだ?

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