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モンスターハーレム 第2章
官能リレー小説 - ファンタジー系

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モンスターハーレム 第2章 354


「え?え!?ま・・・さか、おまえら・・・そこの男と・・・?」
「ああ。契った」
「い、いや待て。ちょっと待て。そうだよ、そもそも何でこんなところに男なんているんだよ!?
 この愚者の迷宮に魔物のオスなんて同族助けに出て行った、カラドリウスの幼生体だけだったろ!?
 しかもオスになることができるってだけでまだ性別も決まっていなかった!
 その男はいったいどこから出てきたんだよっ!?」

・・・ん?何やらどこかで聞いたことのあるような名前が出てきたぞ?
つーか、この迷宮を出て行ったって話もどこか聞いたよーな・・・。
オレがおぼろげな記憶をたどっている間にも、サルスベリたちの話はどんどん進む。

「・・・はあ。やっぱりお主、カグラ殿の話を聞いてなかったのだな?
 その男はカグラ殿が英雄の亡骸から作った『人造魔王』。
 カグラ殿はその男を我らの長に据え、衰退の一途をたどる魔物たちにかつての繁栄を取り戻そうとしておるのよ」
「まああの胡散臭い女の考えたことだ。
 どうせそれだけではないだろうがな」
「・・・!ってことは・・・ここにいる女たちは・・・」

これ以上ないほど驚いた様子で周囲を見渡すルンに、サルスベリたちは淡々と事実のみを伝える。

「ああ。ここにいる女はみんなアイツ・・・ラグのお手付きだ」
「あの男、拙者らをつがいにするだけあってなかなかの男だぞ?
 カグラ殿のお側付きだったオルゾスを皮切りに、人造魔王に反対していたテス・キュリエル・サークを手中におさめ、ついこの間はロー殿を倒している。
 まったくまだ生まれて1月と経っていないと言うのに、末恐ろしい御仁だよ」
「おいおい。これくらいで末恐ろしいなどと言ってくれるなよ。
 あの男にはこれからもいろいろ私のモルモットとして、おもしろいデータを提供してもらわねばならんのだからな。
 こちらはそのためにいろいろと尽力してやっているのだから」

ベタぼれでござるなと笑うロカに対し、ルンは真っ青を通り越して顔を真っ白にして震えていた。
何やらブツブツつぶやいているようだが、声が小さすぎて誰も聞こえていない。
そしてルンはそのままの状態でふらふらとおぼつかない足取りで歩き出す。
その進む先にはノドまで出かかった記憶を引っ張り上げようと首をひねっているオレがいた。
ルンはオレのすぐ背後まで来るとぴたりとその歩みを止めた。
どうやらオレに何か用があるらしい。
しかし思い出すことに夢中のオレは、彼女の不気味な様子に何1つ気づかない。
そのあまりのふがいなさに、ミミがあわてて声をかける。

「ら、ラグ様っ。後ろっ。後ろを見てくださいっ。
 ルン様が何かお話したいみたいですよっ」
「ああん?後ろがどうしたって・・・うおっ!?」

ようやく背後の存在に気づいたオレは、振り返ってびっくりした。
何しろ後ろを見たら幽霊みたいな女がすぐそばに立っているのだ。
驚かないほうがどうかしている。
対するルンは振り返ったオレに何の反応も返さず、ただブツブツとつぶやくだけ。

「・・・ん?何ブツブツ言ってるんだ、おまえ?」

それに気づいたオレは、何を言ってるのかとひょいと近づいて聞き耳を立ててみた。
・・・この時のオレは本当に馬鹿だったと言わざるを得ない。
ここにいる連中はオレに好意的な連中ばかりでない。
胡散臭い連中や危ない連中がごろごろしている物騒極まりない場所なのだ。
そこでこんな無防備なマネをしたらどうなるか・・・。
ちょっと考えればわかりそうなものだった。

「テ・メ・エ・・・!オレの知らないところでかわいいどころを次から次へと食い漁りやがって・・・!」
「へ・・・?は、え?いきなりいったい何を・・・」
「んで、今度はよりにもよってオレのウネリを毒牙にかけようってかぁ!?
 うらやま・・・もとい、ふざけたマネもたいがいにしやがれぇッ!!」
「な!?あ、あ、ああーーーッ!?」

ルンの怒りの叫びとともにオレはでっかい竜巻に吹っ飛ばされ。
事情を知る間もなく、再び地面にその身体を突き立てることになったのである。
そのままオレを殺しそうな勢いのルンに、ミミたちが必死で押さえつけ、説得を試みる中。
一部始終を見ていたサルスベリが笑いをかみ殺しながらつぶやいた。

「くっ・・・くっくっく、いかんいかん。ルンが筋金入りの同性愛者だというのを忘れていた。
 私たちがラグのお手つきだと知ったらああなるのは自明の理だというのに・・・私としたことがうかつだったな」

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