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モンスターハーレム 第2章
官能リレー小説 - ファンタジー系

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モンスターハーレム 第2章 353


「お、お兄様っ!?ルンっ!?2人とも無事かっ!?」

砂煙がもうもうと立ちこめる中、テスが大声を上げてオレたちの無事を確認しようとする。
だがオレもルンも返事をすることができない。
ルンはウネリの体当たりを食らってかなりのダメージがあるはずだし、オレにいたってはルンの放った竜巻の巻き添えを食らった挙句、空を飛んだウネリにふっとばされていたからだ。
確かにケンカしている異名持ちクラスの2人を止めようとしたんだから、多少は覚悟していたつもりだったが・・・。
なぜだろう、少しくらいアイツらブチのめしてもいいかなって気がしてならない。
オレが暗い怒りに捕われつつある中、ソウルイーターが胸を『ブルンっ!』と揺らしながら指示を出す。

「落ち着きなさい!2人とも強い生命力を感じるから死んではいないわ!
 まずは飛行系か魔法使い系のモンスターの娘にこの砂煙を何とかさせなさい!
 この視界じゃ見つかるものも見つからな・・・きゃあっ!?」
すると一陣の風が巻き起こり、巻き上がった砂煙を吹き飛ばす。
先ほどのルンの竜巻と違い、勢いこそあるが人を傷つけるような力のない、ただの突風。
見れば風の起こった中心当たりには、ハイサキュバスのキュリエルが右手を高々と掲げていた。
どうやら彼女が吹き飛ばしてくれたらしい。

「にははっ、これでいいのかな?」
「ちょっ・・・いきなりすぎるよ!?やる前に一言声をかけなさいっ!」

吹き飛ばされた砂塵で目や口をやられた魔物娘たちが被害を訴える中。
その被害から逃れたテスたちは大慌てでオレとルンの探索に入っていた。
幸い、オレたちはすぐに見つかった。
オレは上半身を砂浜に縦に埋めた状態で。ルンは波打ち際で仰向けの状態で気絶していた。
ちくしょう、オレはけんかを止めようとしただけなのに何なんだ、この圧倒的な差は!?
現状が見えていればそう叫ぶこともできただろうが、あいにく上半身の埋まったオレにできるのは助けが来るまで足をじたばたさせてもがくことくらいだった。
・・・オレ、ホントに禁忌の者とか、人工魔王とか呼ばれていた男だよね?
みんなの笑いを取るだけのピエロなんかじゃないよね?
その後オレは根野菜のよーにミミたちに引っこ抜かれて救出され。
彼女たちに傷ついた心をいやしてもらっていた。

「ブツブツ・・・いいんだ、どうせオレなんて・・・。
 格好つけたいばかりの見栄っ張りピエロですよ・・・ブツブツ」
「だ、大丈夫ですよラグ様!ラグ様はまだご自分の力を把握しきれてないだけです!
 きっとカグラ様をも超えるすごい魔物になられますって!」
「・・・!(コクコクッ)」
「ほ、ほらほらラグ様〜?ラグ様の好きなおっぱいですよ〜?」
「ったくあの男は使えるのか使えんのか、今1つわからん男じゃの〜」
「まぁ私たちをとりこにしたほどの男だ、ミミたちの言うとおり、自分の力がよくわかっていないんだろう。
 ラグの立ち直りはアイツらにまかせて・・・私たちはこっちのほうの尋問をやっておこう」

そう言うロカとサルスベリの視線の先にはあからさまに不機嫌そうな様子で胡坐を組む全裸の少女。
異名持ちのギガント・バード、ルンの姿があった。

「まったく外区から帰ってきたかと思えば、また派手に暴れおって・・・。
 ちったぁ、まわりへの迷惑というものを考えんか、お主」
「・・・うるせえよ。つーか、おまえらこそそのガキどっからさらってきたんだよ。
 サルスベリの新しい実験のモルモットにでも使うのか?」
「そんなわけなか「まあそのうち」・・・」

何をバカなとロカが否定しようとしたところに、サルスベリに思いっきり肯定されてしまい。
ロカは思いっきりあきれた様子でツッコミを入れた。

「お主・・・自分の子供によくそんなことができるな。一応言っておくが、拙者の子供に手を出したら承知せんからな?」
「安心しろ。いくら私とて自分よりはるかに強い相手の怒りを買うようなまねはしないさ。
 それに私も母親だからな。いきなり死んだり再起不能になるような実験はしないよ。
 あくまで母の愛、教育の一環としての実験をするだけだ」
(・・・教育と称してモルモットにされる子供のほうはたまらんだろうに・・・)

ロカは心の中でそうツッコんだが、それを実際に口にすることはなかった。
今まで実験一筋に生きてきた迷宮随一の変人が、いきなり母性に目覚めたのだ。
その教育方針がおかしな方向に向いていてもおかしくはないだろう。
それにヘタに口を出して自分の子供が狙われてはたまったものではない。
親子で勝手に実験する分なら無視してもいいだろうと、ロカは割り切ることにした。
一方、ロカとサルスベリのやり取りを聞いていたルンは、驚きに目を見開かせて2人の腕に抱かれた赤ん坊を見ていた。
無理もあるまい。クローンか何かだと思っていたのだろうが、それが自分の子供だと言うのだから。

「お・・・おいおい、自分の子供って・・・それ、クローンか何かじゃないのか?
 だとしたら、つがいとなるオスなんていったいどこから・・・」

とそこまで言って、ルンはようやくミミたちに慰められている情けない男(つまりオレ)の存在に気が付いた。
しかしその顔には先ほどとはまた違った意味で驚愕している。
おそらくものすっごく失礼なことでも考えているに違いない。

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