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モンスターハーレム 第2章
官能リレー小説 - ファンタジー系

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モンスターハーレム 第2章 352


「テスっ!アイツらいったいどういう関係なんだっ!?知って限りのことを教えろっ!
 わかりやすく!簡潔になっ!」
「巨大な亀は『島食い』ウネリ!鳥のほうは『狂い風』ルン!
 この愚者の迷宮でも仲が悪いことで有名な異名持ちで、事あるごとにああやってケンカしている迷惑なヤツらですっ!
 どちらか一方を殺すかどこかにやれば、勝手にどこかに行ってくれるはずですっ!」
「弱点とか特徴はっ!?」
「ウネリは耐久力に優れ、ルンのほうは機動力・・・素早さに分がありますっ!
 弱点は私にもわかりませんっ!」

あー・・・だろうね。激戦区である外区でずっと生き残ってる化け物だ。
そんなもんあるかどうかすら怪しい。
あっても他人に教えるとも思えないし。
まあいい。とりあえずどうすればいいのかはわかったんだ。
封身解放は長時間使える技じゃない。
となれば話は簡単。元に戻ったところでウネリあたりを隠しちまえばケンカは終了ってこった!
必要な情報をもらったオレはさらに速度を上げつつ、テスたちに指示を飛ばす。

「テス!おまえは得意の鉄壁でミミたちに被害が及ばないよう、守ってろ!
 狭霧たちは非戦闘員の避難を頼むっ!オレはあのはた迷惑なバカたちを何とかしてくるっ!」
「わかった、まかせろっ!」
「!?ま、待てラグっ!!」
「ちょ、ちょっと待ってくださいお兄様!おそらくお兄様はとんでもない勘違いをっ・・・!」

オレは仲間たちの返事を待たず、加速してその場を後にする。
今思い返せば、この時テスたちの制止をちゃんと聞いていれば、あんな大惨事にはならなかったかもしれない。
しかしあの2体の亀と鳥の関係を何も知らないオレは、そのまま事態を悪化させる方向へと突っ走ってしまったのだ。
(何とかする、とは言ったものの・・・あんなデカいヤツら、いったいどーしたものか・・・。
 とりあえずどっちか気絶でもさせて、おとなしくさせてやればいいか?)

わずか1秒にして解決策(?)をはじき出すと、オレはデカいカメの化け物『ヴァイト・タート』に狙いを絞って突っ走る。
鳥(ギガント・バード)は空を飛んでるから、ヘタに手を出してもよけられて終わりだろう。
それなら硬そうでも、動きが鈍そうで地面に足を付けているカメのほうがいい。
しかしこの判断がいけなかった。
いや、そう決めたタイミングが悪かったと言うべきか。
ケンカ中の2体が活動を再開したのだ。

(テメエ・・・ウネリ!いつまで強情張ってやがんだ!?いいかげんオレのモノになりやがれッ!?)
(ヤ〜だよ〜。ボクは女の子より男の子のほうが好きなんだよ〜)
「・・・は?」

あまりに頭の悪い会話に、一瞬理解ができなかった。
何?今の会話?コイツら、ケンカしてたんじゃなかったの?

(・・・っ!?なら、死んでオレのモノになりやがれッ!!)

オレが会話に気を取られている間に、怪鳥はその場で何度も羽ばたきを繰り返す。
すると鳥の目の前に何やら怪しい2つの空気の渦が姿を現し・・・。

(『ヘブンズ・トルネード』ッ!!)

2つの渦は絡み合う2本の竜巻と化して大ガメめがけて襲ってきた!
それに対してカメのとった行動は、オレの常識を超えたものだった。

(ん〜・・・しょっ、と)
「うそッ!?」

カメは四肢を折り曲げ、防御するのかと思いきや。
何と次の瞬間、その巨体を上空へと持ち上げていったのだ!
しかし放たれた竜巻は止まらない。カメのいなくなった空間・・・すなわちオレのそばに命中。
大爆発を引き起こし、オレは砂浜の大量の砂とともに吹っ飛ばされた。
だがカメと鳥の戦いはまだ終わっていない。
空に跳び上がったカメは、素早く手足と頭をひっこめると。
その場でグルグルと回転しだす。

(・・・!しまっ・・・!?)
(『ろ〜りんぐ・あた〜っく』っ)

気の抜けるような技名を叫ぶと、空を飛べないはずの大ガメは空中でその軌道を変え、怪鳥めがけて体当たりをぶちかました!
弾丸・・・いいや砲弾と化したカメの体当たりをもろに食らった大鳥は、甲高い悲鳴を上げて弾き飛ばされる。
一方、弾き飛ばしたカメはそのまま回転しながら海に向かって落ちていく。

(ま〜ルンちゃんがこのくらいで死ぬとは思わないけど〜。
 さすがにしばらくは動けないでしょ〜?傷が治るまではおとなしくしてなね〜。バイバ〜イ)

ドッ・・・ポオオォォォンッ!!

そう言い残し、海に沈んでいく巨大なカメ。
封身解放をやめたのか、その影はあっという間に小さくなって見えなくなる。
吹っ飛ばされた怪鳥も限界が来たのか、その巨体は見る見るうちに縮んでいき、人間大ほどの大きさになって砂浜に落下。
こうしてカメと鳥の大戦争は、オレを巻き添えにするだけしてその幕を閉じたのだった。

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