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モンスターハーレム 第2章
官能リレー小説 - ファンタジー系

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モンスターハーレム 第2章 351

まぁ胸の大きさに貴賎なしと言いたいところであるが、オレも男だ。
ないよりはあったほうがうれしいのだが。

ガン、ガンッ!

「痛えっ!?」
「なっ・・・何を見ておるか、この大たわけっ!」
「どうせ私の乳は他の女どもより小さいだろうよ!」

いえ、違うんです。オレはあなたたちの胸がおっきくなったことを喜んでいたんです。
本当なんです。
しかしそれを言うとまた別方向からの攻撃を食らいそうなので、口を閉じることにした。畜生。

「それにしても・・・外との出入りができるエリアってわりにずいぶん静かなところだな。
 回廊や最下層なみなんじゃねーか、これ?」

痛む頭をなでながら周囲を見渡す。
まわりにはオレの女たち以外誰もいない。
これが外とつながりのあるあるエリアとは思えない。
オレの疑問にサルスベリが答える。

「もっともな質問だな。しかしそれは肝心なことを忘れているアホ特有の質問でもある」
「んだとコラ」
「くっくっく・・・そう意地悪するな、サルスベリよ。
 旦那様よ、忘れてはおらんか?ここの住人たちが普段どこにいるのかを」
「・・・ああ、なるほど。そういうことね」

親切で優しいロカのおかげでようやくわかった。
ここの連中のすみかは陸ではなく水中がメインだ。
つまりここは陸に住んでいる連中と会うための玄関口ってわけか。
・・・ん?でも待てよ?

「オイ。でもちょっと変じゃねーか?連中だって水中にばっかいるわけじゃないだろ?
 ちょいと表に出ようと考えるヤツの1人や2人、いてもおかしくねーんじゃ・・・?」
「ふむ。今度はいい質問だな。
 ここの住人達が姿を現さないのにはいくつか理由がある。
 1つはここが外の情報を知る唯一の場所であるため。
 そしてもう1つは・・・」

ズズゥン・・・ッ!!

サルスベリの説明の途中、突然地響きがしたかと思うと海岸のはるか奥で巨大な土煙が上がった。
みなが何事かとそちらに目を向ける中、サルスベリは忌々しそうに舌打ちする。

「チッ・・・!人の説明途中に邪魔をするとはなんと無粋な」
「いや、世の中おまえ中心に回ってるわけじゃねーし」
「・・・まぁいい。ラグよ。あれが今、ここの住人達が顔を出さない理由だ。
 ただいま休暇中の異名持ち『島食い』と『狂い風』だ」

その言葉の直後、巨大な土煙の中から2体の巨獣が姿を現す。
出てきたのは巨大な『亀』と『鳥』。
どうやら封身解放して大暴れしているようだが、いったい何があったんだ?
『チイィッ!これでもまだ死なねえのかッ!?相変わらずムダに頑丈な身体しやがって!』

巨大な鳥が甲高い声を上げながらそう叫ぶ。
おいおい、死なねえのかとか物騒だな。
などと思っていると、今度は巨大亀のほうから声が聞こえてきた。

『も〜、しつっこいなぁ・・・。
 私はあなたと殺り合うつもりなんかないんだってば。
 せっかくの休暇の邪魔しないでよっ。まわりもみんな迷惑してるでしょ!?』
『るっせえっ!?こっちはおまえに勝てないと前に進めないんだよっ!?』

明らかに嫌そうにしている亀に対し、鳥は巨大な翼を何度も大きくはためかせた。
するとすさまじい突風とともにいくつもの羽の弾丸が亀に襲いかかる!

ガキンッ!ガガガガッ、ガキガキンッ!!

しかし亀の身体は相当硬いらしく、放たれた無数の羽根はすべて亀の身体に弾き飛ばされる・・・って!?

ブオオオォォォッ!!

「うおおぉぉぉうッ!?」
『キャアアァァァッ!?』

鳥の放った攻撃の余波―――突風が離れたところにいたオレたちのところにまでやってきた!
さすがに身体を吹き飛ばすほどの威力はないが、それでもかなりの強風だ。
この風のためにおねむの最中だったサルスベリたちの子供は大声を上げて泣き出し、キノは背中から落ちた巨大な木の実をあわてて拾いに向かう。
おいおい、これはちょっとシャレにならねえんじゃねえのか?
するとタイミングを計っていたのであろうサルスベリが声を上げた。

「おいラグ!何をしている!?さっさとあの2人のケンカを止めてこんか!?
 私の大切なモルモットたちや子供にケガでもさせたら、ただでは済まさんぞ!!」
「・・・っ!?サルスベリ、テメエまさか、これを狙って・・・!?」
「ひ〜んっ!?ラグ様ぁ、何とかしてくださいぃっ!」

嫌な予感しかしない状況下で、ミミが半泣きになって助けを求める。
テスや狭霧など気の早い連中はすでにあの2体を止めるべく駆け出している。
オレは絶対何かをたくらんでいるはずのサルスベリに文句の1つでも言おうとしたが・・・。
そんな状況ではないと、涙を呑んで狭霧たちの後を追った。

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