モンスターハーレム 第2章 36
「いや、聞こえてるでしょッ!?聞こえてるでしょ、ラグ様ってば!!」
「あうあうっ、お願いです、許してくださいぃっ」
「・・・・・・(呆然)」
「・・・この非常時に何やってるんだ、おまえたちは」
「何か楽しそう。私も混ぜてもらってもいいかしら♪」
「混ざるなっ!?これ以上話をややこしくすんなっ!?」
程よくグダグダになってきたところで、お遊びは中断。
オルゾス・サルモネラ・キュリエルの3人によって、ミミとリザだけ救出された。
ちなみにオレのほうは、どうしても3バカが離してくれないのでそのままだ。くすん。
「・・・で?何でおまえたちはオレを放してくれない訳?」
オルゾスたちがバカ2人を救出している間、オレは足に取り憑いた小娘どもに質問した。
抱きついた足からは、3人の三者三様の乳房の感触が伝わってくる。
こんな状況でなかったら一戦行きたいが、事態が事態だけにそういうわけにも行かない。
そんな不埒な考えと格闘しながら答えを待つと、やがてゴブリン娘が口を開いた。
「わ、わわっ、私たちも連れて行ってくりゃしゃいっ!」
「・・・は?」
「あわっ!?か、噛んじゃった?!」
「いや、そーゆーことじゃなくってね」
これから向かうのは、オレが経験した中でもかなり危険な戦いだ。
そんな戦いに見るからに弱っちそうな魔物たちを連れて行くことは自殺行為か、使い捨ての駒にするかのどちらかしかない。
ちなみにミミにはおそらくケガしているであろうテスの介護と離脱をさせるつもりだ。
戦闘能力はアレだが、こんなに大きく成長したんだ、それくらいは期待してもいいだろう。
「わ、私たちもラグ様のお役に立ちたいんですっ!」
「使い捨ての盾にしてもらってもかまいませぬ!
ぜひ我らもお供させてくださいませっ!
でなければこの身体、離すわけには参りませぬっ!」
ゴブリン娘の意見に合わせるように、獣人娘と白蛇娘がパーティ入りを懇願する。
・・・むぅ。困った。正直戦いでなければ、連れていきたいところなのだが。
かと言っていくら説明しても、絶対に納得しないだろーなー・・・。
さてこのわがままなおぜうさんたちをどうしたものか?
貴重な時間が浪費されていく中、ミミが意外なことを口にした。
「あの・・・ラグ様?もしよろしければ、この人たち、一緒に連れて行ってもらえませんか?」
「は?何言ってんだ、ミミ。これから行くのは戦場だぞ?
それも『凶将』サーク率いる反対派の主力なんだぞ?」
言外に戦い方のイロハも知らないお前も危ないんだぞ、と言いながらミミを諭す。
しかしミミはめずらしく首を横に振った。
「確かに私たちは弱いですけど・・・。
反対派のヒトって攻撃的じゃないですか?
私もあんな怖い思いをしたくないし・・・。
このヒトたちならいきなり襲われても問題ないと思うんですぅ」
「??」