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モンスターハーレム 第2章
官能リレー小説 - ファンタジー系

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モンスターハーレム 第2章 348

「遊ぶのにいいところでしたらいっぱいありますよ?
 何しろこの愚者の迷宮にはいろんな仲間たちが暮らしてますから。
 たとえば獣人や昆虫系、植物系モンスターの住む『妖林区』、
 水棲モンスターの住む『魔水区』に寒冷地に住む魔物が暮らす『幻氷区』。
 それから熱帯地方のモンスターがいる『獄炎区』に古代遺跡をそのまま居住区にした『忘却区』・・・。
 数えたらきりがないですよ」

指を折りながら次々と候補地を上げていくラムレーネ。
さすがは世界最大級のダンジョン『愚者の迷宮』。
いろんな種類の魔物に対応できるよう、いろんな区域があるようだ。
・・・ん?ちょっと待てよ。何か今、聞き捨てならない区域がいくつかあったぞ?

「おいおい、ちょっと待て。
 暑いエリアや寒いエリアはまだわかるが、何で水棲モンスターがここに住んでるんだよ。
 ここに来るまでに干上がっちまうだろーが」

オレは愚者の迷宮に来ようとして、途中で干からびた人魚や半漁人の姿を想像しながら抗議した。
するとラムレーネは一瞬虚を突かれたような顔をして・・・すぐにプッと噴き出し始めた。
・・・何か腹立つな。オレ、そんなおもしろいこと言ったか?
むくれるオレに、笑いをかみ殺しながらミミが謝罪した。

「す、すみませんラグ様。
 陸路を這いずってくる人魚の姿を想像したら、笑いが止まらなくなっちゃって・・・。
 ここ、愚者の迷宮には地上だけでなく、いろんなところに出入り口があるんですよ。
 確かラグ様、ここの地図をお持ちでしたよね?それで確認できると思います」

ミミに促されるまま地図を開いてその全体図を見てみると。
なるほど彼女の言うとおり、複雑怪奇に入り組んだ大迷宮からいくつかの線が飛び出していた。
おそらくこれが外の世界へと通じる出入り口だろう。

「もっとも地上につながる陸路は大戦の際に破壊されたり、こちらから埋めたりしたそうなのでほとんど使えないって聞いてるんだけど。
 水路に関しては人間も入ってこれないということで結構が残ってるんですよ」

アンジェラがオレの背後から手を伸ばし、そんなことを言いながら青く色づけされたルートを指さす。
なるほど。考えてみれば確かに納得だ。
水の中での呼吸もままならない人間が、水棲モンスターがわんさかいるところから入ろうだなんて考えまい。
それはつまり水中で生活できる水棲モンスターなら生き延びている可能性があるということでもある。
さすがに内陸での戦いは期待できないが、戦力には違いない。
リフレッシュついでにそいつらとお近づきになるのもいいかもしれない。
そう考えたオレは、脳内でまとめたことを皆に伝えた。

「―――よし!じゃあ今日はその水棲モンスターのいる『魔水区』に遊びに行こう!
 この機会に『泳ぐ』ってのもぜひ体験してみたいし!キノもそれでいいか!?」
「私はお父さんに遊んでもらえるならどこでもいいです」
「おっしゃ決まりだ!おまえら、他の奴らにも連絡入れろ!
 今日は戦いを忘れて目いっぱい遊ぶぞーーー!!」

未知の領域、『魔水区』。
オレはそこでどんなことができるのか、どんな連中が暮らしているのか。
期待と興奮に胸ふくらませながらミミたちにそう叫ぶのだった。

――――

「―――遊び、だと?」

グッ、グググッ・・・グシャアンッ!!

人造魔王の悠長なセリフに、その人物は見ていた水晶玉を怒りで握りつぶしてしまった。
人間とは思えない握力だが、さすがに無傷とはいかなかったらしい。
その両手からはポタポタと赤い血潮がこぼれていた。
まるでその人物の怒りのほどを表すように。
その人物の予定では、オレはローを殺すなり手駒にするなりして、もっと派手に暴れまわっているはずだった。
しかしキノという予定外の人物が計画を狂わせてしまったのだ。
あんな子供のために計画を狂わせられて、腹が立たないはずがなかった。
いっそ強引に計画を進めてしまおうかとさえ思った。
しかしその人物はすんでのところで怒りを飲み込んだ。
それはその計画がそれだけ長い年月と苦労を重ねてきたものであったからだ。
そもそもこれを実行しようとした時点で、多少のイレギュラーが起こるのは想定済み。
謎の人物は心を落ち着け、計画を修正するべく動き始める。

(―――そうだな。確かあそこ出身の異名持ちがいたはずだ。
 ローの前にアイツを食わせてやるとするか)

その人物は計画に修正を加えながら、ゆっくりと物語の歯車を回すのであった。

――――

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