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モンスターハーレム 第2章
官能リレー小説 - ファンタジー系

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モンスターハーレム 第2章 345

だがそんな俺の苦情も次の言葉で全部ひっこめざるを得なかった。

「『竜人姫』ローとヤツに追従していた連中は捕まえたが、いまだ牢屋で大暴れ中。
 おまけにオリオールはいまだに魔力酔いによる酩酊状態から回復していない。
 おかげで子供の相手をできないサルスベリはすっかりご機嫌斜めになっているよ」
「げ」

ローが元気いいのも問題だが、最後のサルスベリの機嫌が悪いのはまずいんじゃないですか?
ヘタしたらまた誰かが犠牲になるとも限らないし・・・。

「戦いとはただ敵に勝てばいいというものでもないぞ?
 いろいろ覚えることや発見はあろうが、もうちょっと周囲への気配りってやつを覚えていてくれ」
「はい・・・」

戦いは白黒ついたら終わりってものじゃないのね。
また一歩大人の階段を上ったオレは身をもってオルゾスの苦言を胸に刻みつけた。
だが反省したところで事態は何も変わらない。
とりあえずサルスベリの機嫌を取って、それからローたちをどうするべきか、決めるために会いに行こう。
サルスベリは何だかんだ言ってオレとその女たちの面倒を見てくれている、大事な女だからな。
ここでヘタに怒らせてマッドサイエンティストに戻られたら、おちおちこの迷宮に漂う怪しい空気の正体を知ることもできない。
何よりオレの子供の安否が心配だし。
不安に駆られて早く行こうとベッドから降りようとしたその時。
意外な人物がそれを妨害してきた。

「・・・ダメ、です。お父さんはケガ人です。だからもー少しここで休んでください」
「キノ・・・?」

それは背中に大きな4つの木の実を抱えた我が娘、キノだった。
第1子キノ。しかし厳密にはオレとキノは親子という関係にはない。
封育樹と呼ばれるナマモノ樹木にオレの魔力を大量に投入した結果生まれたことから、便宜上そういう関係にしているにすぎないのだ。
特殊な生まれだから、彼女にはまだ歴史というものがない。
母親に抱かれた記憶もなければ、母乳を飲まされた記憶も、愛された記憶もない。
その存在しない記憶を埋めるように、自分と一緒に生まれた4つの木の実を大事に育てている少女。
それが我が娘、キノという少女であった。
そんな彼女が見せた、初めての抗議にオレは戸惑いを禁じ得なかった。
しかし問題になっているのは味方からも危険視されているマッドサイエンティストと、外区で大暴れしていた異名持ちだ。
放っておけば何をするかわからない。
オレはベッドに押しとどめようとするキノを抱き上げ、諭すように言ってやった。

「キノ。オレのことを考えてくれるのはうれしいけど、あの連中はほっとくとすっごいアブないんだ。
 敵にしても味方にしてもそれはもう。
 だからわがまま言わないでくれないか?」
「・・・ヤです。何と言われようとキノはどきません」

うおう、まさかの拒否発言。
だけどこっちも引けない。自分の大事なものたちの命がかかっているのだ。

「そんなこと言わないでくれって。この問題が解決したら、今度遊んであげるから」
「・・・ダメです。信じられません。お父さんのことだから、また絶対変なトラブルに巻き込まれてきます。
 妹たちも信じられない、お父さんと一緒にいたいって言ってます」

何その確信めいた発言。人(じゃないけど)を勝手にトラブルの星の元に生まれた設定にしないでほしい。
つーか、背中の木の実たち、しゃべることできたの?
するとキノはオレの心を読んだかのように説明してくれた。

「このコたちはまだしゃべれません。何となく、キノにそう思ってるのがわかるだけです。
 とにかく何と言われようとキノはどきません」

オレの下半身に抱きついて離れません宣言をするキノ。
オレは助けを求めるようにオルゾスたちに助けを求めるが、薄情な連中は意地の悪い笑みを浮かべているか、苦笑しているか、それともそっぽを向けるだけでまるで助ける気配がない。
ホント、肝心なときは役に立たねえな!?
こうなったら実力行使しかない。
オレはキノの首根っこをつかんで引っぺがそうとするが。

「・・・ん?こ、このっ・・・んんーーーーーーッ!!」
「ぎゅーーーーーーっ!!」

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