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モンスターハーレム 第2章
官能リレー小説 - ファンタジー系

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モンスターハーレム 第2章 343


「ぐ・・・ふッ」
「「!!」」

最初に声をあげたのはオレ。
胃の中のもの全てをぶちまけそうな嘔吐感に耐えながら、ゆっくりと上半身を起こす。
っくしょう、思いっきりぶつかってきやがって。
ゲロ吐いて負けたとあっちゃあ、恥ずかしくて歩けなくなるだろうがっ。
・・・ん?外の世界ってのにも興味あったし、それはそれでよかったのか?
そんな中、オレの上に覆いかぶさっていたローの身体がずるりと床に落ちた。
死んではいない。気絶してるだけだ。
どうやらさっきの体当たりは、オレに一撃加える前に気絶したために起こった偶然の産物だったようだ。
しかしそうまでしてオレを殺そうとしてくるとは・・・。
恐ろしいまでの執念だ。とても妖林区であった人物と同じとは思えない。

「それだけしなきゃいけない、『理由』があったってこと・・・かぼッ!?」
「お兄様っ!大丈夫でごじゃいますかっ!?」

真面目に考えていたら、突然目の前が闇に包まれ、首にものすごい衝撃が走る。
テスが心配のあまりオレに飛びついてきたのだ。
心配してくれるのはうれしいが、もうちょっと優しくしてほしい。
あ、胸とかぎゅうぎゅう押し付けるの、うれしいけどやめて。
息できなくてちょっとヤバいことになってるからっ。

「テス。そこまでにしておきなさい。
 それじゃ息できなくてラグ、死んじゃうわよ?」
「・・・っ!!」

オレが死ぬ。その言葉にテスはあわてて飛びのいた。
ヤバかった。もう少しでオチるとこだったぞ?

「って言うか・・・。味方ごと敵を殺そうとしたヤツがそんなこと言うんじゃねーよ・・・っ」

新鮮な空気を体内に取り込みながら、オレはソウルイーターに悪態をついた。
窒息死から助けてくれたことには感謝している。
だがそれを差し引いても、あの紫色の亡者たちに襲われたことは忘れられない。
マジな話、あの時はホントに殺されると思ったぞ!?
しかし当の本人はそれを見越していたらしく、まったく動じた様子もなく答えた。

「仕方ないでしょう。あなたを正気に戻すためにはあれしかなかったんだから。
 そもそもあなただって反射的とは言え、私を殺そうとしたでしょう?
 テスが守ってくれなかったら間違いなく死んでたわよ」
「むぐ・・・」

そう言われてはぐうの音も出ない。
いやそれ以前に、ソウルイーターがなんでローごとオレを攻撃したのかも大体わかっている。
殺されようって時にあんな心底ホッとしたようなカオ、見せられちゃあな。
それもこれも全部オリオールのせいだ!
オレはそう結論付けると、たまったフラストレーションを解消するべく右手の銃をにらみつけた。

「おい、オリオール!いつまでラリってんだ!起きろっ!!」
(ふひゃあ・・・?はれふれほろはれ〜♪)
「・・・〜〜〜ッ!!(怒)」

オレの怒声を聞いても正気に返らないオリオールに、オレの堪忍袋の緒が切れた。
右手を振り上げると、あらん限りの力を持って近くの壁に投げつけてやる。

(ギャンッ!?)
「ラグっ!?」
「お兄様っ!?」

硬質な金属音と共にオリオールが悲鳴をあげ、ソウルイーターとテスが驚愕する。
思いっきり壁に打ち据えられた銃は床を滑るように転がり・・・。
止まったところで銃からヒトの姿に変化した。
あたまにでっかいタンコブができているが、多分大丈夫だろう。
テスのヤツが介抱に走っているし。
オリオールがいなくなると同時に、オレの右腕を包んでいた不可思議な紋様があっという間に消えていく。
やっぱりこれもオリオールの仕業だったか。
などと思っていると。いきなり左頬にものすごい衝撃が走った。
ソウルイーターが渾身の力でオレを引っ叩いたのだ。

「痛っ・・・てえっ。いきなり何しやがる、ソウルイーターッ!!」
「ラグっ!!あなた、仮にも命を救ってくれた恩人に向かってなんてことするの!?」
「やかましいッ!そもそもアイツが事前に説明してくれたら、こんなことにはならなかったんだよッ!!」

完全な責任転嫁であることはわかっていたが、感情的になったオレはそれを止めることができなかった。
だがそれがいけなかった。
思えばこの時、オレは調子に乗ってたんだと思う。
それが『あんな結果』を生むとわかっていれば、もうちょっと態度を改めただろう。

「・・・そう・・・。あくまで自分は悪くないと言うわけ・・・。
 なら、コレでも食らって少し反省しなさいッ!!」

ソウルイーターはそう言うなり、いきなりオレの胸板に両手を当てて押し倒す。

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