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モンスターハーレム 第2章
官能リレー小説 - ファンタジー系

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モンスターハーレム 第2章 342


「・・・っぶねえじゃねえか、ソウルっ!?危うく撃ち殺すところだったじゃねえかよ!?」
「おまえを正気に戻すにはあれしかなかったんだ、仕方ないだろう」
「ああ!?何をわけのわかんねえコトを・・・って!?」

ブオンッ!!

オレがあわてて背中をのけぞらせると、頭のあった場所をローの拳が通過していった。
こ、このヤロ(女だけど)、ヒト(ヒトじゃないけど)の話してるスキを狙って攻撃してきやがった!!
オレは怒りもあらわに、銃口をローに向けて乱射する。
数発の魔力の弾丸が放たれ、身体から何とも言えない心地よい脱力感が襲う。
迫り来る死の弾丸を前に、ローはすばやくそこから離脱する。
しかしそれも一瞬のこと。彼女はすぐさま間合いをつめて攻撃してきた。
くそっ、格闘戦で銃を黙らせるつもりかよっ!?
いくら威力があるとは言っても武器は武器。
こんな密着した状況では撃つに撃てない。

(くそっ、このわけのわからん模様のおかげで防御はできても、これじゃあ・・・ん?)

ローのパンチをさばきながら悪態をついていたとき。オレの頭にある疑問が浮かんだ。
そしてその疑問が解消されると同時に、オレは銃(オリオール)のグリップで襲いかかるローの頭を殴りつけた!

ガキャッ!

「ぎっ!?」
(あべるっ!?)

脳天をたたかれ、あまりの痛みにローの動きが止まる。
なんかオリオールの悲鳴が聞こえたが、今は無視!
絶好のチャンスを前に、オレは渾身のヤクザキックを放ってローを突き飛ばした。
腐っても異名持ちのローはそれを部分開放でしっかりガード。
模様のないで攻撃したので、逆にこっちが痛い思いをすることになったがそれも致し方なし。
だってオレが狙っていたのは、ローとある程度距離をとることなんだから!
ローが吹っ飛んでいたわずかな時間に、オレは銃口を向けて魔力を送る。
そしてローが体勢を立て直そうとしたした瞬間に引き金を引いた。

「ぶっとべ、バカ野郎っ!!」

そして練り上げられた魔力の弾丸は砲弾と化し、あっという間にローの上半身を包み込んだ。
時間がなかったので最初に撃ったときみたくはいかなかったが、これでも十分な威力があるはず。

「がああぁぁぁッ!?」

オレ、テス、ソウルイーターの3人は固唾を呑んで、悲鳴を上げるローの様子をうかがった。
よほど苦しいのか、ローは陸に揚げられた魚のように悶えていたが。
その悲鳴はやがて止まり、包み込んでいた魔力の弾丸も力を使い果たして霞のように消えていく。
殺ったか?それともまだ息はあるのか?
魔力の弾丸に飲み込まれたローの上半身がついにあらわとなった。
「「「・・・うッ!?」」」

それを最初に見たとき、オレたちは思わずうめいてしまった。
そこにいたのは上半身を黒く焦がした竜人。
どうやらローのヤツ、弾丸の魔力から身を守るために封身開放したらしい。
上半身だけに留めているのは闘争本能のなせる業か、それとも反撃しようという意志の表れか。
どちらにせよローの実力のすごさを感じさせる光景であった。
しかしさすがに無傷とまでは行かなかったらしい。
その鱗は黒く焼き焦げ、手ひどい火傷を負ったことは一目瞭然だった。
やがて人化の法が発動したのか、竜人ローが人間の姿へと戻っていく。
その間もローは防御の体制のまま、ピクリとも動かない。

「おい、オリオール。あれ・・・おまえはどう思う?」
(ふにゃあ?あらえらほら、ぱひ〜)

あまりの不気味さにオリオールに声をかけてみたが、失敗だった。
オレの魔力にすっかり当てられたオリオールは、意味不明の謎言語を返してくるだけだった。
ちくしょう。こんな状況でなかったら壁に1発たたきつけてやりたいところだ。
情けない仲間の態度に、思わず注意がそれたその時だった。

ドンッ!

今まで不動でいたローが、弾かれたように突っ走ってきた。
いや違う!?地面を蹴って超低空飛行をしているんだ!
オレはあわてて銃を構えなおすがもう遅い。
引き金を引くより先にローの身体が目の前に迫ってきていた。

「ぐげッ!?」
「ラグッ!?」
「お兄様ッ!?」

ローのタックルを食らって吹っ飛ぶオレに、ソウルイーターとテスはほぼ同時に悲鳴を上げた。
だが動きがあったのはそれまで。
オレとローは床の上を滑るように着地すると。
そのままお互いピクリとも動かなくなった。
いったいあの体当たりを食らっていた中で何があったのか?
うかつに声をかければよくないことが起こりそうで、2人の異名持ちはただ黙って事の成り行きを見守った。

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