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モンスターハーレム 第2章
官能リレー小説 - ファンタジー系

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モンスターハーレム 第2章 341


「オラオラ!どうした『竜人姫』!さっきから逃げ回ってばかりじゃねえか!?」
「・・・ナメるなよ、生まれたての人造魔王が!
 さっきは油断しちまったが、こんなもん気合を入れれば・・・っ!!」

部分開放を一瞬から一時に切り替えることで肉体をさらに強化したローは、連射された魔力の弾丸をうまく受け流した。
真っ正面からは防げなくても、角度をつければそらすことはできるってことらしい。
ならばこっちもとばかりに威力を上げた弾丸を撃ち放つ。
魔力を込めるぶん連射は利かないが、これならローの部分開放だって貫けるっ!
さすがにそれは食らってられないとばかりにすばやくよけて反撃するロー。
その瞬間、右腕に走っていた模様が黒く輝き、盾となってオレを守る。
だが相手は大戦を生き抜いた異名持ち。完全には防げず、重い衝撃が身体をさいなむ。
これ以上食らってなるものかとすかさず発砲。
オレがオリオールという武器を手に入れたことで、戦いは一方的になるどころかますますヒートアップしていた。
少なくとも、こんな熾烈な戦いに水をさそうなんて考えるヤツはそういないだろう。
それがソウルイーターがオレを救うにあたり、1番の問題であった。
だがやるしかない。ソウルイーターはすぐに決意を固めた。
あんな強力な武器、早く使いこなしてもらわないと危険すぎる。
何よりもしオレが死んでしまえば、周囲一帯はソウルイーターの犠牲になる。
ためらう余裕はどこにもなかった。
ソウルイーターは質問を繰り返すテスを無視し、久しぶりにその戦闘能力を開放した。

ゾクッ・・・!

その時テスは確かに感じた。周囲の空気の温度がソウルイーターを中心に下がったことを。
彼女のまわりに不吉な気配が漂い、薄紫のオーラとなって形を成していく。

「亡者よ!怨霊たちよ!我が許す!安らかな死の眠りを妨げしものに鉄槌を下せ!」
「ちょっ・・・!?待・・・!!」

テスがあわてて止めようとするがもう遅い。
突き出された手からあの不吉なオーラが爆風のように出て、オレとローの2人へ向かう。

「おぉっ?」
「なっ・・・!?」

まさか味方ごと攻撃すると思ってなかったオレとローは思わず驚きの声をあげる。
オレたちを呑み込んだ薄紫の煙は、まるで生き物のようにオレたちの身体に絡みつく。

ドクンッ・・・!

「うッ・・・!?」
「こ・・・れはッ!?」

その瞬間、身体からおぞましい感触と共に何かが吸い取られていくのがわかった。
生命力だ。それも今までのエナジードレインとは比較にならないほど吸収力が大きい!
源泉から湧き出る清水のごとく、どんどんあふれ出る生命力。
しかしこっちは生き物だ。当然その生命力には限界がある。
全身から力が抜け、死を思わせる冷たい感触が広がっていく。
これは・・・ヤバいっ!?

「ソウル!やめろ!!お兄様が死んでしまうっ!!」
「・・・(ボソッ)」
「え?」

必死に止めようとするテスに、ソウルイーターは小声で何事かつぶやく。
しかしオレたちはそれどころではない。何しろ生命の危機に立たされているのだ。
思いがけないピンチにオレとローは戦いをやめ、本能的に同じ行動を取る。
すなわち自分の生命を脅かす障害の排除だ。
オレは銃口を向け、ローは部分開放した腕の鱗の一部を剥ぎ取り、それぞれソウルイーターに攻撃を仕掛けた。
その時見せたソウルイーターの表情は今でも忘れられない。
オレたちの攻撃を確認したアイツは笑ったのだ。それも安心したようなホッとした笑顔で。
撃った相手が仲間だということを思い出すと同時に薄紫のオーラが煙のように姿を消す。
おいおい、何笑ってんだよ。何攻撃やめてんだよ!?
このままじゃおまえ、殺しちまうだろうが!!
言葉にすることすら間に合わず、心の中でそう叫んだとき2つの攻撃が着弾した。
ドカ、ドカンッ!

とても銃弾と鱗が当たったとは思えない破砕音が響き、ソウルイーターの前に出現した石壁が砕けた。
テスがソウルイーターを守ったのだ。
先ほどソウルイーターがテスにつぶやいたのは、自分を守れという指示だった。
とは言え、テスとて最初は言うことを聞くべきか迷っていた。
だがとっさに反撃しようとしたオレとローの顔を見て、テスはとっさの判断でソウルイーターを守ったのだ。
後の彼女の話によると、その時のオレたちは『とても敬愛するお兄様とは思えない顔をしていた』とのこと。
ひどい言われようだが、この判断は正しかったと認めざるを得ない。
最初からオレを殺しに来たローはともかく、オレはとっさの判断で仲間を殺そうとしたのだから。

「あ・・・!」
(ふにゃらは?)

仲間を、それも126センチの魅惑のバストを誇る巨乳美人を撃ち殺そうとしたことに、オレの頭から血の気が引いていく。
オリオールのヤツは相変わらずオレの魔力にラリったまんまだったが。
とにかく血の気が引いたことで、おかしなことになっていたオレの頭は一気に正気を取り戻した。

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