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モンスターハーレム 第2章
官能リレー小説 - ファンタジー系

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モンスターハーレム 第2章 340


「ぐおぉっ・・・!?」

とっさに射線上から移動していたローの身体をかすめ、死の風が天井の穴へと吸い込まれていく。
風の弾丸は音もなく1つ上のフロアの天井を1枚2枚と貫通すると、3枚目の天井でようやくその前進を止めた・・・かと思いきや。
止められた3枚目の天井から風の球体が姿を現し、球体の中にあるもの全てを粉々に破壊。
そこまでやってようやく死の風は姿を消した。
その頃。自分の撃った弾丸がとんでもない破壊をしているとは思いもしないオレは、心地よい虚脱感を感じながら、これまた信じられない光景を目撃しようとしていた。

「ぐ・・・お・・・ッ、あ!?」

ローがうめいたかと思うと、銃弾の掠めていったと思わしきあたりから血が一斉に吹き出し始めた。
オレの渾身の一撃をも受け止めたローの皮膚が先の銃弾で失われ、出血したのだ。
温かいローの血を浴びながら、オレは理解した。
これらのことは全てオレとこの銃が引き起こしたことだと。
今襲っている虚脱感の正体は、先ほどの弾丸を撃った代償みたいなものだと。
そしてその威力は間違いなくローを殺すことのできるものだと!

「く、ふ。ふふ。ふふふ・・・」

それがわかった瞬間、自然と笑いがこみ上げてきた。
当然だ。今まで苦しめられてきたローの防御が障害でなくなったのだから。
みながその威力に呆然とする中、オレは笑ったまま再び銃口をローへと向けた。

「!!」

それを見たローの顔色が変わる。だがもう遅い。今度は蜂の巣にしてやるぜ・・・!
暗い喜びに満ち溢れた顔で引き金を何度も引く。
すると再びあの虚脱感が身体を襲い、銃口からいくつもの弾丸が発射された!
ドンドンドンッ!ビシュッ!

「っ、つあッ・・・!?」

銃弾の雨あられを必死にかわすロー。
しかし全てをよけることはさすがにできず、1〜2発の弾丸が彼女の左腕をえぐり、肉を削いだ。
むう。貫けなかったか。今度は逆に弱すぎたか?
まあいいや。今まで散々痛い目遭わされてきたんだ。
じっくり楽しませてもらうとするか!
オレはヘラヘラと笑いながら物騒なことを考えていた。

(・・・グ・・・さま・・・)

その時だ。どこからか聞き覚えのある声が聞こえてきた。

「オリオール、か?」
(ラグ・・・様ぁっ。いきなりあんなっ・・・大量の魔力を注ぐだなんてぇ・・・ひどすぎ、ますぅっ・・・!
 わ・・・たし、イキすぎて壊れちゃうかと思いました、よぉっ・・・!?)

その声の主、オリオールは息も絶え絶えといった様子でオレに語りかける。
しかしその声はやけに色っぽく、とても命の危機にさらされていたとは思えない。
もっとも真剣みのある声で語られても、オレがそれに気づいたかどうかも怪しいが。

「悪ぃ悪ぃ。こっちも初めてなモンでな?うまく調節できねんだわ。
 くくく・・・何、すぐ覚えっから、ちょっと黙って喘いでろや?」

ふひゃひゃひゃ、と狂ったように笑いながら痛みに悶えるローを見下ろすオレ。
その様子は明らかに異常であった。
壊れかけたオレの様子に、テスが危険なものを感じて声を上げる。

「お兄様!?いったいどうなさったと言うのだ!?」
「・・・ん!?これは・・・?」
「ソウルイーター!何かわかったのか!?」

ソウルイーターの意味ありげなセリフに、テスはわらにもすがる思いで訊ねた。
彼女の推測は正しかった。周囲からむやみに生命力を吸わないためにオレにターゲットを絞っていたソウルイーターには、オレに起きた異変を他より少しだけ詳しく知ることができたのだ。
彼女だけが感じた異変。それは人間の感覚でたとえるならば、『味』の変化であった。
霜降り肉を食べていたはずなのに、いつのまにか赤身肉に変わってしまったような・・・そんな変化。
大戦前から多くの生き物たちから生命を食らってきたソウルイーターには、その意味するところがよくわかった。
オレの中で急激に魔力が消耗されているのだ。
そのせいで生命力が低下し、味が落ちた。
生命力が低下するほどの魔力を使用すれば、その先にあるのは確実な死だけだ。
普通、そんな状態になれば身体の異常に気づくものなの。
しかし悪いことに吸われるたびに送られてくる快感によってオレの頭はハイになり、まるでそのことに気づいてなかった。
本来ならそういうとき、オリオールがサポートしてくれるはずだったのだが。
こちらも最初の1発で許容量を越える魔力を送られ、おかしくなってしまっていた。
サルスベリが太鼓判を押すほどの武器と人造魔王の魔力。
その2つが偶然生んだアンラッキーの産物だった。
となると話は早い。頭のおかしくなったオレかオリオールを正気に戻せばいい。
しかし問題なのは・・・。

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