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モンスターハーレム 第2章
官能リレー小説 - ファンタジー系

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モンスターハーレム 第2章 338

しかしそれどころではないオレは、せめてもの抵抗と言わんばかりに右手でとっさのガードを試みる。
そして・・・!

ガキィ・・・ッ!

右手におよそ予想していたものと違う、衝撃と音が右手に伝わった。

「「なっ・・・!?」」

その光景にローはもちろん、オレ自身も驚いた。
今までオレの攻撃をものともせず、逆に傷つけるほどのローの拳がオレの右手で止められていたのだから。

――――

「ミミ。伝説の武器と普通の武器の違いとは何だと思う?」
「ふえ?」

ところ変わってここはサルスベリの部屋。
子供を寝かしつけ、普段からは考えられない優しい母親の顔を見せていたサルスベリは、ミミにそんな質問をした。
サルスベリの意外な(?)一面に気を取られていたミミは慌てふためきながら、その答えを口にする。

「え?え?えっと・・・や、やっぱり攻撃力があることですか?
 伝説の武器ってどれもすごい切れ味ですし」
「確かに伝説の武器には切れ味のいい武器が多い。
 しかしそれは決定的な違いではないな。
 伝説の武器には攻撃力のまるでない杖が挙げられることもある。
 加えて伝説の武器以上によく切れる武器も少なからず存在するしな」
「ふええっ?そ、それじゃ・・・他の武器にはない能力があることですか?
 ほら道具として使うと回復してくれたり、炎の出る武器と勝かあるじゃないですか」

違うと言われ、ミミはあわてて次の答えを出す。
何しろ相手はあのサルスベリだ。
先ほど意外な一面を見せたとは言え、もし彼女の機嫌を損ねたら何をされるかわかったものではない。
だがそんな彼女の必死さをあざ笑うかのようにサルスベリは否定した。

「確かにそれもよくある。
 だがドワーフの作る魔法武器にも、そのような効果がある武器が存在する。
 よってそれも決定的な理由ではない」
「ふええっ!?違うんですかぁっ!?
 えとえと・・・それじゃあ・・・」

なかなか回避できないピンチにミミのあせりは募るばかり。
攻撃力でもない、特殊能力でもないとすれば、いったい何が違うのか?
ない知恵をこれ以上ないほど振り絞って出された答えは・・・。

「わ、わかりましたっ!意思があるかどうかですねっ!?
 お店で売られるような武器はしゃべったり、持ち主を選んだりしませんからっ!」

会心の回答に、ミミは満面の笑みを浮かべて答えた。
それに対しサルスベリの採点は・・・。

「40点。着眼点は悪くないが、まだまだ考えが甘い。
 それではとても及第点はやれんな」

その言葉にミミはウサミミを前に折れ曲がり、その場に崩れ落ちた。
もう自分は終わったとでも思ったのだろう。
伝説の武器と普通の武器を分ける決定的な違いがわからず、ミミはついに白旗を揚げた。

「グスっ・・・わかりません。降参です。
 伝説の武器と普通の武器の違いって何なんですかぁ?」

涙ぐみながらミミが正解を聞いてみる。
するとその答えは予想外に簡単なものだった。

「簡単なことだ。レベル・・・武器としての経験値の違いだよ」
「経験値・・・ですか?」
「ああ。普通武器はどんなに丁寧に扱っても、最終的には壊れてしまう。
 形あるものはいつか壊れるのだから、当然のことだな」
「・・・?はい・・・」

至極当たり前のことを言われ、首をかしげるミミ。
彼女は気づいていない。その当たり前の中にこそ、正解が隠れていることを。

「だが何事にも例外というものが確実に存在する。
 劣化し朽ちるはずの武器の中には、いつまでも劣化することなく機能し続ける武器が出てくる。
 中には使えば使うほどその性能を上げるものもあるくらいだ」
「あ・・・!」

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