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モンスターハーレム 第2章
官能リレー小説 - ファンタジー系

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モンスターハーレム 第2章 337


「え〜?サークちゃん、もうやめちゃうの〜?
 私、もっとサークちゃんとローちゃんの殺し合いを楽しみた〜いっ!」

ああ、そう言えばいましたっけね。
サーク以上にフリーダムなお方が。
つーか、『もっと殺し合い見たい』だなんて物騒なセリフ、かわいらしく言わないでくれよ。
もっともそれを口にしたところで聞いてくれるとも思わないけどさ!

「おまえの都合など知ったことか。
 そんなに見たいなら、そこのバカとローとのでガマンしろ」
「え〜?やっと恋する乙女サークちゃんの活躍・・・」

ドゴンッ!!

みなまでどころか半分も言わせる間もなく、凶器の投擲という名のツッコミが入った。
振り返りもせずにああも的確に頭を狙えると、もはや一芸通り越して才能だな。

フオンっ・・・

「び、びっくりしたぁっ。
 サークちゃん、今のはさすがに危ないってば!」
「うるさいッ!おまえなど死んでしまえばいいんだ!!
 私はもう帰るッ!!」

めずらしく顔色を変えてクレームを言うキュリエルに、サークは怒鳴り返してその場を後にする。
・・・何だったんだ、いったい。
キュリエルがヤバかったとあせるのもめずらしいけど、あのサークがあそこまで感情をむき出しにするなんて。
キュリエルのヤツ、何を言おうとしてたんだろ?
非常に好奇心のそそられる内容だが、おそらくそれを聞く機会はもうないだろう。
サークがそれを許すとは思えないし・・・何より。

「あー・・・まあ、その、何だ。
 オレも向こうのことは気になるが・・・。
 まずは1番優先しなきゃいけないことから片付けていこうぜ?」

おそらくこの茶番の1番の被害者であろうローが、頭をポリポリ掻きながら気持ちを切り替えてきた。
そうだよなぁ。
これから命がけの殺し合いが始まるってのに、くだらない質問なんてしてるヒマはないよな。
オレの頭が普段のお気楽思考から戦闘モードに切り替わっていく。
ローの雰囲気も急激に変わってるあたり、オレと同じことが起こってるんだろう。

「おい、オリオール。もういいだろう。
 そろそろオレの武器をよこせ。
 それがなきゃこっちの負けは確定だ」
「・・・・・・」
「おい、オリオール?」

オレの呼びかけにまるで反応しないオリオールに、オレは嫌なものを感じて振り返った。
オリオールはオレやオルゾスたちと違って戦闘向きじゃない。
まさかこの殺気に当てられて気でも失ったか?
しかし振り返った先にいたのは意外なものだった。

「ふ、ふふ、ふふふ・・・」

オリオールは笑っていた。
オレでさえも一瞬圧倒されるほどの壮絶な笑みで。
それを最初見たときは気でも触れたのかと思った。
でも違った。頭のおかしくなったヤツは汗なんてかかない。
あんなふうに恐怖と緊張に彩られた目をしていない。
それは恐怖を乗り越え、前に進もうとする戦士の顔つきだった。

「ふ、ふふふ。ラグ様、感謝します。
 私にロー様と刃を交える機会をお与えくださったことを。
 初めての戦場でラグ様に力をお貸しできることを・・・!」
「お・・・おい、オリオール・・・?」

彼女の実力にはあまりに不釣合いな言葉に、オレはどう答えていいのかわからない。
そもそもコイツはオレに武器をよこすのが役目であって、一緒に戦うわけじゃないだろ?
混乱するオレをよそに、オリオールはオレの背中から下りて右手をとった。

「では参りましょう。どうぞお受け取りください。
 これが・・・私がロー様を倒すための、最強の武器でございますっ!」

そしてオリオールがオレの右手を自分の左胸に導いた瞬間、それは起こった。
オリオールの身体のいたるところから不可思議な紋様が浮き出し、オレの右手にまで侵食してきたのだ!
「うおぉうっ!?」

自分の身体にまで這い回ってきた不気味な紋様に、思わず驚きの声を上げるオレ。
しかしそんな驚きなど右手から伝わるオリオールのやわらかな感触と声とであっという間に吹き飛んでしまった。

「ふあッ!?あ・・・はぁンッ!」

オリオールは紋様が身体を走るたび、色っぽい声を上げて身体をくねらせる。
実際感じているのだろう。
その証拠にオレの右手の中心からは、小さくも強く自己主張する突起の感触が伝わっていたから。
おそらくコイツが悶えてるのは紋様のせいなんだろーが、どうしてオレには何の影響もないのだろう?
こっちにまで伝わってきたときには驚いたが、別に痛くも何ともないし・・・って!?

「おいおい、何やってるかは知らねえが!
 戦の最中にちょっと油断しすぎじゃねえのかぁ!?」

わけのわからんことをやってるスキをついて、ローが攻撃を仕掛けてきた!
や、ヤベぇ!?アイツの攻撃は魔力で強化したオレの身体じゃ防ぎきれねえってのに!
このままじゃやられっ・・・!?

ふにゅんっ♪

「ンあぁッ!?」

オレは思わずオリオールの胸を強くつかんでしまったその瞬間。
彼女は一際大きな声を上げて光に包まれた。

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