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モンスターハーレム 第2章
官能リレー小説 - ファンタジー系

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モンスターハーレム 第2章 336

狭霧やミミたち他のメンバーたちも護衛を買って出てくれたのだが。
サルスベリによって異名持ち以外の同行は全て却下されてしまったのだ。
まぁ自分と敵のことを考えれば妥当なのかも知れないが、凄腕の戦士である狭霧までもダメってのはどういうことなんだろう?
サルスベリは『武器を使えばわかる』とか言っていたが、オリオールが持つという武器は、そんなすごい武器なのだろうか?
消せぬ疑問にオレが再び彼女に疑惑の目を向けていると。
突然迷宮が揺れ、通路の先、その天井から何かが落ちてきた。

「キャアァァァッ!?」
「うおぉっ!?」

崩れた天井の瓦礫が降り注ぐ。
おいおい、いくらここがダンジョンだからって天井壊れるなんてアリかよ!?
ダンジョンそのものが崩れたらどうする気・・・って!

「しまっ・・・!?」

天井の崩壊というアクシデントに、オレもオリオールもその思考が停止したために逃げるのが遅れた。
ヤバい、避けけきれねえ・・・!

「ラグっ!」
「お兄ちゃんっ!」

そんなオレらのピンチに反応したのがテスとソウルイーターだった。
ソウルイーターがオレの服をつかんで引っ張っている間にテスが腕を床に沈めて出した石槍で瓦礫を迎撃する。
会って間もない間柄とは思えない、見事なコンビネーション。
さすがは異名持ちと言ったところか。

「何をボーッとしているの!
 あなたが死んだら弱い魔物たちが私の犠牲になるのよ!?
 もっとしっかりしなさいっ!」
「お、おうすま・・・んッ!?」

怒るソウルイーターに謝ろうとしたところで、オレは崩れた天井からものすごい魔力の塊を察知した。
どうやら天井を崩した張本人か、その関係者がおいでになるようだ。
たぶん今の状況でこんなことするヤツと言えば・・・。

「やっぱりテメーか、ロー!・・・て、サークも?」
「んお?ラグじゃねえか!何だ、こんなところにいたのかよ!探したぜ?」
「・・・チッ!」

・・・あれ?オレ今、サークに舌打ちされました?
つーか、なんであなたローとドンパチ戦ってらっしゃるんでしょう?
聞きたいことは山ほどあるが、聞いているヒマはない。
何しろオレを殺そうとする相手が、再びオレの前に現れたのだから。
・・・などと気を引き締めていると。

「キャハハハハハハッ!床割るなんて気合入ってるねぇ、サークちゃんっ」

上の穴から緊張感をぶち壊す笑い声が聞こえてきた。
聞き覚えのある声。そしてこの状況下でこんな風に笑えるヤツと言えば1人しかいない。

「キュリエル」
「あれ?ラグっち、こんなところにいたの〜?
 無粋だなぁ〜。せっかくサークちゃんがラグっちのために戦って―――」

最後まで言うより先に、サークが投げたらしい瓦礫がキュリエルの頭にヒット。
ザクロのように弾けるかと思いきや、その姿はまるで霞のようにほどけて消えた。

「やれやれ、サークちゃんは素直じゃないね〜。
 もっとアタシみたいに自分に正直になればいいのにぃ」

いやアンタみたいのがそんなに増えたら困ります。
ノドまで出かかった言葉を飲み込みながら、オレはいつの間にか背後にいたキュリエルを見つめた。
彼女はそんなオレの心情を知ってか知らずか、ニヤニヤと微笑むだけだ。

「気色の悪いことを言うな、キュリエル。
 それよりおまえがお守りしていた連中はどうした?」
「ん〜?飽きたから置いてきちゃった♪
 どうせここに降りてこれるような実力もない、ヘタレちゃんばっかりだし問題ないでしょ?」

うわー。『置いてきた』って、ものすごくキュリエルらしいな、それ。
つーか、誰かのお守りしてたなんてこと自体、驚きなんですけど。
いったい上で何があったんですか、サークさん。
言ってもムダだと知りつつも、抑えられない好奇心に視線を送ると。
サークは不機嫌そうに視線をそらした。
それと同時に殺意が急速にしぼんでいき、戦闘態勢も解除される。
あれ?これってひょっとして?

「・・・興が冷めた」

やっぱり。予想通りの答えにオレはそう思わずにはいられなかった。
まったくなんで異名持ちってヤツはこうも自分勝手な連中が多いんだか。

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