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モンスターハーレム 第2章
官能リレー小説 - ファンタジー系

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モンスターハーレム 第2章 335

ちょっとした災害のような戦いぶりに、ラーブラたち3人はそれらを必死によけながら、命がけの観戦をしていた。
彼女らの本音を言えば、こんな非常識な戦いからさっさと逃げ出したいことだろう。
しかしキュリエルに監視されている手前、逃げることさえできないでいる。
一応彼女も3人が死なないようにしてくれているが。
享楽主義者らしく必要最低限しかしてくれないので、彼女らも必死である。
仮に逃げられたとしても、時折感じる冷たい視線の主がそれを許さないだろう。
おそらくサークあたりが自分たちを殺してその動揺を誘おうとしているのは、すぐにわかった。
2人がまだ本気を出していないことも。
ローはダメージ無視の力任せ攻撃を繰り返しているし、サークに至ってはバーサクせずに無骨な大剣を振り回し続けている。
それだけでこんな甚大な被害が出るのだから、異名持ちがどれほど強い存在なのか、イヤでもうかがい知れる。

ガキィッ!

ローの拳とサークの大剣が交差し、動きが止まる。
小さな切り傷だらけになったローが、押し負けんと力を込めながらサークに問う。

「なぁサーク。実はさっきから1つだけわかんねーことがあるんだけど、答えてくんねーか?」
「・・・何だ」
「おまえ、さっきからオレを殺そうとしてるけど・・・なんでだ?
 おまえって筋金入りの人造魔王反対派だったろ?
 それが何でラグを殺そうとする邪魔をすんだよ?」
「・・・・・・」

ビキイッ!

2人のバカ力に耐えかね、もろくなった床にヒビが入る。
これ以上つばぜり合いを続ければ、2人の足場はもろくも崩れ去ってしまうことだろう。
だが2人はやめる気配も見せずに会話を続ける。

「まさかキュリエルが言ったみたいに、本気でホレたわけじゃないだろ?
 いったい何がおまえを動かしているんだ?」
「・・・簡単な、話だ」

バキッ!ガラガラ・・・

壁に亀裂が走って小さな瓦礫が崩れだす。
その次の瞬間、サークの魔力が爆発的に膨れ上がった。

「!!」
「簡単に立場を切り替えるような尻軽女に、私の獲物を奪われたくない、それだけだっ!」

キィンッ!ザキュッ!

一瞬だけ本気を出したサークはローの拳を弾き、返す刀ですかさずローの肩口を斬りつけた。
その衝撃で足場が崩れ、2人は下の階へと落ちていく。
最後に斬りつけたときに聞こえた、いつもと違う音。
あれがいったい何の音だったのか。
残されたものに確かめる術はなかった。

――――

「ラグ様っ!もっと急いで!
 早くしないと私の出番がなくなっちゃいますっ!?」
「やかましいっ!?オレにおんぶされてるヤツが偉そうなことをゆーなっ!」
「・・・これから戦いの現場に行くって言うのに、ずいぶんと余裕ね、あなたたち・・・」

その頃。ブックアタックのダメージから立ち直ったオレはオリオールを背負い、ソウルイーターとテスとともに戦いの場へと足を進めていた。
いや、最初はオリオールも走っていたのだが。
パーティの中でダントツで弱い彼女は、足も遅い上にバテるのも早いので、やむなくこの形での移動となったのだ。
ちなみにテスはオレの護衛。
ソウルイーターは1人にさせると誰からエナジードレインをするかわからないので、一緒に連れている。

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