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モンスターハーレム 第2章
官能リレー小説 - ファンタジー系

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モンスターハーレム 第2章 331

ここまで来ると、もはや余裕や自信過剰を通り越して異常である。
部下たちが衝撃のあまり恐怖を忘れてしまった中、ローとキュリエルは何事もなかったかのように会話を続ける。

「え〜?イジメてなんかないわよぅ?
 ちょおっとかわいがってあげようと思っただけなのにぃ」
「おまえのかわいがり方は、激しすぎてほっとけないんだよ。
 いいからやめろ」
「む〜・・・。ま、いいわ。これからおもしろいモノが見れそうだし。
 今日はこの辺にしといてあげる」
「ありがとよ」

そう言ってローが微笑んだその時だった。
いったいいつの間に動いたのか、サークがローの背後に迫り、大剣を今まさに振り下ろそうとしていた。
完全に虚を突かれたロー。
トルナたちも気づいたようだが、助けに行くことはおろか、声を出すことすら間に合わない!
殺られる―――!?
ニオルドたちの顔から血の気が引いた。

ザキュッ!

次の瞬間、嫌な音と共に噴き出した血が宙を舞う。
だがサークの大剣はローの肩口でピタリと止められていた。
部分開放によってガードされたのだ。
しかしさすがに完全には防ぎきれなかったらしく、剣を受け止める肩からはわずかな血が噴き出していた。
無事だったか。
3人の部下たちが安堵のため息をつくヒマもなく、ローは反撃に動いていた。
重力にまかせて前へ倒れこみ、その勢いを利用して下からサークのアゴ目がけて踵落としを放つ。
しかし相手は腐っても異名持ち。
反撃を予想していたサークは、大剣を引くと同時にその場でくるりと回転。
ローの蹴りをかわした。
そして回転した勢いをそのままに、お返しとばかりに大剣を横に振るう。
それに対し、ローは・・・!

ガ、キィンッ!

左手1本丸ごと部分開放し、サークの刃を受け止めた。
受け止めた掌からは赤い鮮血がポタリ、ポタリと流れている。
サークの一撃はローの鱗を傷つけるほどの威力があることは、先の不意打ちでわかっていたはず。
なのになぜ彼女はよけなかったのだろうか?

「いちちっ・・・!相変わらずだなぁ、サーク。
 部下ごとオレをたたっ斬ろうたぁ・・・」
「くだらん。戦いとは生きるか死ぬかの殺し合い。
 部下だろうが何だろうが、おまえと一緒にいる以上は敵に違いない」
「あの〜。私、サークちゃんの敵になった覚えはないんですケド・・・?」

ローが攻撃をよけなかった理由。
それはサークの横薙ぎの攻撃範囲に、キュリエルにしがみつかれたままのニオルドがいたからだ。
よければニオルドとキュリエルは、2人そろって真っ二つに切り裂かれていたことだろう。
『凶将』の異名にたがわぬ見事なイカレっぷりである。
その容赦のなさにかつての部下たちは、いよいよ恐怖でどうにかなりそうだった。

「おまえなんぞ、死んでもかまわん。むしろ死んだほうが清々する」
「あ〜!ひっどぉ〜いっ!!人種差別だ〜!!」

越されかけたものの言葉とは思えないくらいの能天気なクレームに、さすがのローも苦笑を隠せない。
まぁ彼女のおかげでもう少し会話ができそうなので、2人の会話に混ぜてもらうことにした。

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