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モンスターハーレム 第2章
官能リレー小説 - ファンタジー系

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モンスターハーレム 第2章 329

戸惑いの1つもあって当然だろう。
だが警戒していた魔物娘3人をあざ笑うかのように、突然目の前の空間が揺らいだかと思うと、そこから2人の女性が姿を現した。

「さすがだな、ロー。キュリエルの幻術をこうも簡単に見抜くとは・・・」
「さ、サーク様!?キュリエル様っ!?」

その正体を見て、トルナたちは思わず声を上げてしまった。
そこにいたのは『凶将』サーク。『妖艶』キュリエル。
迷宮の実力者である異名持ちにして、かつて反対派を率いていたかつての上司であった。
部下たちが驚く中、ローは軽い口調で言葉を返す。

「お褒めの言葉、どーもっ。外区は激戦区だからね。
 おかげさんですっかりこんな臆病な性格になっちまったのさ。
 で?反対派のアンタらがオレに何の用だい?
 わざわざ幻術を使ってきたんだ、
 穏やかな話じゃないみたいだな?」
「やぁねぇ、ローちゃん。そんなに殺気立たないでよ〜。
 ちょおっとイタズラしようと思っただけなんだからさ〜」

異名持ちがイタズラ。
確かにキュリエルの性格を考えれば、十分ありえそうだが。
だがサークの性格を考えると・・・。
サークと志を共にしてきたトルナたちは、いつの間にかカタカタと身体を震わせていた。
そんな中でローは平然とした様子で会話を続ける。

「イタズラ・・・ねぇ?お連れさんのほうは違うみたいだけど?」
「いいや、これは間違いなくイタズラだよ、ロー。
 バレるとわかってやる不意打ちなど、イタズラ以外の何物でもないだろう?」

その瞬間、サークから背筋が凍るほどの殺気が放たれる。
予想通りの展開と恐怖で、ローの後ろの3人は反射的に迎撃体勢をとる。
サークのことをよく知るがゆえの反応であった。
そんな中、ローとキュリエルだけはその笑みを崩さない。

「くくく、魔王などいらぬと人一倍大きな声をあげていた女がえらい変わりようだな。
 そんなにあの男が気に入ったか?」
「そーなのよ、ローちゃん。聞いて聞いて!
 サークちゃんてば、ラグっちに処女を奪われてから恋する乙女・・・」

ザンッ!

ローの質問にそれはそれは楽しそうに答えるキュリエルの身体を、サークは持っていた大剣で一刀両断した。
真っ二つになったキュリエルは信じられないような表情をしていたが。
すぐに不敵な笑みを浮かべると、空気に溶けるように消えてしまった。
幻術だ。

「もーっ、セリフの途中で切りかかるなんてひどいわよ、サークちゃん?
 せっかくかわいく、おもしろくなってきたのにぃ♪」
「黙れ淫売」

いつの間にかサークの背後に現れたキュリエルを、サークは振り向きもせずに大剣を叩きつける。
すると再びキュリエルの身体は霧のように散れて消えてしまう。

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