モンスターハーレム 第2章 327
しかしその中でもっともオレの希望をかなえてくれたミミにオレは最大限の賛辞を送った。
だが。そんなせっかくの流れに水をさすものがいた。
「待て。確かに使用者に扱いやすいことも大事だが。
相手はあのロー将軍だぞ?
並の武器では、あの方に傷1つを負わせることはできないのではないか?」
オルゾスだ。
彼女の言葉に、治ったはずのオレの両腕がずくずくとうずいたのを感じた。
確かにオルゾスの言うとおりだ。
素手とは言え、ローの身体は魔力で強化したオレの拳を食らってもビクともしない代物なのだ。
鉄製の手甲を装備したところで、ガラスのごとく砕かれてもおかしくない。
あの手を砕かれるような痛みをまた味わうのは、さすがにゴメンだ。
つまり。オレの武器はローの防御力を上回る強度がなきゃダメってことか。
「・・・そんな都合のいい武器、存在すんのか?
つーか、そんなご大層なモン、オレが扱いきれんのか?」
オレはローをブチのめす武器の姿が想像できず、思わずポロリとつぶやいた。
だが頭を抱えるオレに、みんなの声はあまりに冷たかった。
「・・・何言っている?そんなの簡単だろう?」
「そうだな。いくら貴様が不器用でも、あれなら簡単に扱えるだろう」
オルゾスとサルスベリのバカにしたような発言に、比較的良心的なローやソウルイーター、狭霧までもがうんうんとうなずく。
うわ、みんなにここまで言われると、怒りを通り越して軽くヘコむんですけど!?
文句を言おうにも答えがわからない以上、どうしようもない。
オレは恥をかくのを覚悟して、おずおずと質問した。
「あの・・・みなさん?それで・・・ワタクシはナニを使えばいいんでしょう?」
その言葉に荒事専門の皆様方は1つため息。
すみません。これ以上心を傷つけるの、やめてくださいませんか?
そろそろ立ち直り不可能の領域に入りかけたオレに、狭霧が優しく説明してくれた。
「ラグ。何もローを倒すのに接近戦である必要はないんだ。
弓とか銃とか・・・そういった遠距離武器を使えばいいんだよ」
「あ・・・!」
その言葉にオレは目から鱗が落ちる思いだった。
とゆーか、こんな簡単なことに気づかなかった自分のバカさ加減に、みるみる顔が赤くなっていくのを感じた。